にまつわるエトセトラ。

……というのが卒業論文『<パクリ>をめぐる論考。』の仮題だった、て知ってるひと手を挙げてー。て誰も知る由ないですよね。いや、ほんと最初は「やっぱパクリの論文だし、題名もどっかからとってきたいよね。」と思ったのもあって、これで出すつもりだったんだけどさー……根がどうやら真面目らしいモノで、結局村上春樹の某小説から軽ーく中途半端に引用するにとどめたのでした。それに提出教官にはどうせ元ネタ理解らないからやっても効果薄いかなぁ、と思ったんだよな。まぁさておき。

今さっきたまたまiTunesが選曲した『さよなら夏の日』-山下達郎のイントロを聴く度、奥田民生の引用(パロディ)センスの高さを瞬間的に実感してしまう。最早職業病みたいなモノだなーこれ。けど、この美しい追憶的なイントロを『渚にまつわるエトセトラ』という70's歌謡曲的楽曲のサビの終止に持ってくるなんてそうそう思いつかないと思う。ビートルズの断片を寄せ集めて1曲つくるより案外思いつきにくいし曲に乗せるのて難しいんじゃないか?しかもそこに乗る歌詞が「リズムに合わせて恋するモード」とかなんとかて井上陽水の何か考えてるような何も考えてないようなて歌詞だったりするんだから堪らない。という訳で、ブクオフ辺りで格安で『JET CD』-Puffy見つけたら即買いして100回くらい聴きましょう。またバックに従えてるDr.Strange Loveとの組み合わせが堪らないんだな。

ところで『さよなら夏の日』でのこのモチーフも実に使い方巧くて、しかもそれを転調交えて曲の表情変えつつやるという、まるでおクラシック音楽のようなことをさらりとやってのけてる山下達郎。今更達郎について僕ごときが語ったとこで、他に幾らでも語ってるひとがいるだろうから仕様が無いんだけども、まぁいいよねこの曲、バラードをシンプルじゃなく作るのて実に難しいことだと思うのに、いやみなく心地よくそれやっちゃうんだから。これでこのイントロにも元ネタあったりすると「モライ!」て感じでレポート1本書けるんですが。あっはは。

そんなで最近は「効果的引用」について色々考えている訳ですが(とか言いつつ実は何も考えていない)SCUDELIA ELECTROについての云々とかもねぇ。実は某所で指摘されていた『Wine,Chicken, and Music』でSCUDELIA ELECTROが(つか「イシダ」が吉澤のピアニカを添えて)カバーしてる「2人のイエスタデイ」の歌詞の一部を削ってることは気付いてなかったのですよ。けど思い返すと、ライブでも何度無く聴いたけど、全部その歌詞を削った状態で歌ってたなぁ、と……確か。それでその削った歌詞の部分が「Truth」の英詞で引用されていたりして、その辺り想像膨らますと面白くはなりそうなんだけども、ちともう少し寝かせておきます……て書いてたら今まさにそのSCUDELIAのカバーの「Since Yesterday」が流れ出した……やっぱiTunesのパーティシャッフル機能には面白い何かが潜んでいるなぁ……。

因みに同様の現象は他のカバー曲にもあって、それが『SCUDELIA ELECTRO』所収の「Words」。未確認だけど、これもオリジナルの歌詞は2番があっても少し長かった気がする。余談になるけどさ、こないださー、PC整理してたら学生時代に「Words」の歌詞意訳したテキストファイル見つけて、赤面してしまったんだけどね。確かに元から言って赤面な歌詞ではあるんだけども、改めて字面を見つめて見るとけっこ恥ずかしい。また意訳具合が恥ずかしくて堪らない。幾ら意訳が面白いとは言え、これだけは絶対晒すまい。

まぁその意訳の断片はこのレポート(http://d.hatena.ne.jp/assa/200207)で見られるんだけどもさ。このレポートは自分でも結構気に入っている。時間ない中書いたにしてはよく出来てるし、巧い具合に妄想を飛躍できてるし何とか着陸できてる感じがまたいい。これはレポートを提出した先生の授業が面白かったお陰だったと思う。

また話逸れたよ。いや、意図的に逸らしてもいるのだけども。いやー引用ておもろいよ。意図が明確で批評的(かつ下手すると頭でっかち)なパロディや剽窃自体が目的化してるサンプリングに比べずっと妄想が膨らんで実に面白い。言い換えるとテキスト読み的、というか、何処か文学的なんだよなぁ。この辺、ソツロンでは1ページで片付けてしまったのだけども、妄想補完して何かまた書きたいなぁ、としみじみ思ってる昨今。問題は……参照する楽曲の知名度か……あはは。