奏でた声に辿るファイナライズ。

『live:locus, and wonders. TOUR ”FINALIZER” 2005.6.17.SHIBUYA AX』-SCUDELIA ELECTRO

05年夏に解散したSCUDELIA ELECTROから届いたラスト・アイテムにしてマスト・アイテム。PV付のベスト盤買ってる場合じゃない、いや、真の"locus, and, wonders"はこの盤だと思う。

この盤の一部の曲がiTMSで秋くらいに配信されていたのだけど、やはりCDの方がオトが良い。というか、耳に届いてくるオトの立体感が全然違うのですよ。もっと言うと、M-ON TV!で放映されたので、その映像だけで良いと思う、というひともいるかもしれないけど、テレビ放映用の映像なんて基本的にオトがおざなりにされてたりするので、こうやってCDで聴いてみると全然違うわけです。また盤で聴きなおす価値はあるわけです。なんか回しモノみたいになってきたな。えーっと。

このライヴについては、id:assa:20050617をご参照頂き、奇特な方にはこのエントリを眺めながら間違い探しして頂くとして(記憶に頼って書き起こしたので、間違いなく幾つか誤りがある。MCの順番とか。)、このライヴから起こった音源であるにも関わらず、このライヴから切り離しても楽しめる盤だと思う。まぁ、要は、あーあのライヴ良かったね、って思い出に浸るためにこの盤聴くとかでなく、ただ「SCUDELIA ELECTROの新譜」として楽しめる、ということだ。実際、スクーデリアって、ライヴでのオト作りにもマニアな拘りあったグループだったけどライヴ音源って数曲しかなかった訳で、そのスクーデリア的オト作りの粋がこうしてパッケージングされたこと自体に価値があると思う。マネージャーの樋口氏がライナーノーツで書いてた「スーベニア(記念品)でないアイテムにしたかった。」ということばが意味するとこは、つまりはそういうことなんだろう。値段設定も高めにできるDVDでなく、コスト嵩むだろう2枚組みCDというフォーマットを選んだ、その心意気も買いたい。

特に後半の流れを聴くともう圧巻だった。現場では爆音のためよく聞こえなかった音の要素もひとつひとつクリアに取り出され、かつダイナミズムを失うことなく整理されミックスされアウトプットされてる。200マイル、ノーチラス、ミラージュ、ベターデイズ、そして大団円Truth。オトのひとつひとつをただ追いかけてしまう。これも樋口氏の言う通り、映像がついてると、イシダやよしやんの手の動きを追いかけてしまう。けど全く、そんなものはなくて十分なのだ。本当に良いオトってのは、そういう説得力がある。

そう、他ならぬオトで、辿るイメージを喚起する。それこそが、SEの魔法ではなかったか?まさしくそれを証明する名盤。感傷に浸るのは、ラストの「Scudelia Electro we WERE!」のひとことに対してだけで十分だ。