浦和レッズ創設以来初の営業赤字に寄せて〜拝啓・橋本社長。

拝啓、株式会社三菱自動車フットボールクラブ・橋本光夫社長。

92年のJリーグ開幕より、浦和レッズをずっと応援しているものです。この度、どうしても橋本社長、並びに経営陣の皆様にお伝えしたいことがあり、ぶしつけながらお手紙差し上げます。

http://www.urawa-reds.co.jp/tools/page_store/news_6798.html

上記の経営情報開示、拝見いたしました。非常に苦しい経済状況の中、浦和レッズJリーグで随一の売り上げを維持しており、また同時に各種経費の削減にも取り組まれているとのこと。チームを応援するものとして、頭が下がる思いです。

しかし一方で、本日の発表をみると、非常に不可解に思います。発表、もしくは報道では「観客収入減」が主な赤字の原因としてクローズアップされております。しかし昨年度比でみれば、観客収入の減少よりも広告収入の減少幅が大きいものと見受けられます。

昨年度は大口スポンサーの契約の更新年ということもあり、それで広告収入が膨らんだものと発表されました。ではなぜ、2010年度の予算については、広告収入の減少を加味し、「昨年並み-広告収入減少分」の売上を想定し予算をたてられなかったのでしょうか?

私も1企業人ですが、率直に申し上げて、非常に不可解です。予算の立て方が甘く、身の丈にあった売上を想定できず、事業経費をはじき予算だてしたことが、今期の赤字の原因ではないでしょうか?

入場料減少のマイナス2億は、トップチームの経費削減額2億でほとんど吸収できているようにも見えます。はっきり申し上げて、観客収入減少は、今期の赤字の理由にはならないと思います。

なぜこのような執拗なお手紙をしたためているかというと、このような事実を直視せず、「チームが負けてサポーターが来ないから赤字になった」と一見すると解釈できるような本日の説明をみて、多くのサポーターが悲しむだろうと感じたからです。

われわれだって、毎試合、ホームの試合に観に行きたいんです。だけど、年を重ねれば色んな事情もでてきます。毎試合サッカーをみるというのは、それなりにハードなことです。Jリーグも創設20年に近づき、大きくサポーターを取り巻く環境も変化しています。少なくとも、チームが勝てないから客がこない、それだけの単純な話ではありません。

しかしチームは「サポーターが来ないから赤になりました」と堂々と発表する。

まるで、私のようななかなかスタジアムにいきたくてもいけないサポーターが、犯罪者扱いされたような気分です。

年にわずか数回でも、必死になってチームと戦うためにあらゆる用事を繰り上げてでも足を運んだ、あの努力はなんだったのでしょう。

浦和レッズを愛するものとして、お願いです。どうか、もっと客観的に、現在の経営環境をとらえ、そしてあなたがたのお客を見つめ直して下さい。

弱くても、満席になっていた時代もあったではないですか。成績だけが全てではありません。そのことを、まず、しっかりと把握して、きちんと中長期的な事業計画を立て、チームを長期的スパンで育てていただきたいのです。

本日の発表では、非常に悲しい思いになりました。赤字になったことに自体ではないです。その原因を客観的にとらえられず、サポーターとトップチームの戦績に責任転嫁しようとする、その態度に、私は大きな疑問を抱きました。

私だけではありません、多くのサポーターが悲しい思いをしています。

そして、覚えていてください。こういう悲しい思いを繰り返すことで、サポーターは、チームから離れていくのです。

乱文失礼いたしました。経営陣のどなたかにでも、ご笑覧いただければ幸いです。どうぞよろしくお願い申し上げます。

また、末筆ではありますが、震災の際のチームの対応は高く評価しています。サポーターとして本当に誇らしくなる対応をしていただきました。ありがとうございます。この件については、役員の皆様に素直に御礼申し上げたいです。

浦和レッズの今期の躍進、また、三菱自動車フットボールクラブの、ますますのご発展を、心よりお祈り申し上げます。ぶしつけなお手紙失礼いたしました。ご無礼お許しいただきたく、なにとぞ、よろしくお願い申し上げます。

WE ARE REDS...