It's an amazing day!!

浦和レッズアルビレックス新潟。4-0。文句のつけようのない完勝。Jリーグ後半の戦い方の集大成となった、素晴らしい試合だった。よく選手が「点はとれなかったけど、うちらしいサッカーが出来てた」とインタビューで答えてるのをみて、「ぉぃぉぃ勝ち点もなかなかとれないのに、今のレッズらしいサッカーって何よ?」とたまに困惑することがあったけど、とれた点数とか関係なく、これがレッズのサッカーなんだと観ていて久々に確信できた。

相手を圧倒するフォアプレス。高めのDFライン。2列目、更には3列目からの前を追い越す攻撃参加。2列目からサイドへの展開、サイドから中央への展開。スペースの使い方。中盤での徹底したフェアな潰し。そして、選手全員がフィニッシュへと向かう姿勢。名脇役堀ノ内の先制点で、ゴールに向かいその前にボールがくれば何かが起こるという原点に返ったらしい。それを思い出しさえすれば、こっちのもんだ。勝って優勝を待つ、という目的の前に、集中力も一切途切れることなく、脚も止めずただただゴールへ向かう方法を瞬時に判断し、貪欲にそこへ向かっていた。相手の退場も不利有利な判定もオウンゴールもなく、今シーズンでは稀有な、殆ど後味の悪さの残らない試合となった。ボールを奪ったら、前を向け。そして行けるところまで行け。それが浦和のサッカーだ。パーフェクト、アンサー。

おかげで最後の瞬間まで夢を観れた。残り45分の時点では首位に立った。けど、奇跡があとひとつ、足りなかった。やはり、本当の勝者は自力で勝っていかないといけない。他力本願と神頼みだけじゃ、一番にはなれない。

今シーズンに限らず、浦和は実にドラマのあるチームだ。けど、喜怒哀楽をここまで味わったシーズンというのも実に珍しかった。役者が揃ってきたおかげかもしれない。良くも悪くも、選手達にここまでの個性と嫌らしさと明快さとわけ分からなさと隙のあるチームというのもJリーグにはそうそうない。勿論最後のポイントはなくさなきゃならないし、それがなくなれば、圧倒的な力でリーグを牽引できるポテンシャルはある。事実、リーグ最小失点、得点2位。総合力には磨きがかかってきている。田中達也が満をじして復帰し、チームビジョンに見合った補強さえできれば、来年こそは浦和の年になると確信した試合だったし、シーズンだった。


ともあれ今年のJリーグは、どこが優勝しようが主役はガンバ大阪だったと思うし、だからこそ浦和とガンバ以外には優勝して欲しくなかった。その守りに入らない、魅力的な攻撃サッカーでシーズンを盛り上げてくれたガンバ大阪に感謝したい。浦和はその中で、見事な敵役を演じていたと思う。「Amazing J!」。誰がつくったか知らないけど、こんなコピーが本当にリーグをそうさせちゃうとは、開幕前には誰も想像だにしてなかったに違いないよね。哀しいこともあった分、なんだか楽しかったよ今年は。全ての選手に、ありがとう。