敵の敵は味方じゃない。

浦和レッズ川崎フロンターレ。テレビ観戦。3-2。辛勝。

どうにもこうにも今シーズン、浦和戦のレフェリングが不安定である。元々闘争心丸出しにしてアグレッシブなサッカーをやらないことには勝てないチームではあるので、試合が多少荒れ模様になるのも致し方ない部分はある。けど、戦術とかサッカーのやり方とは別のところで試合が荒れるのは、観ている側としてはホントに勝っても負けても後味が良くは無い。基本的にここにサッカーねたを書くのに審判への文句しか出てこないというのも愉快なことじゃない。Jリーグには、ホントに審判のレベルの底上げを急務として、なんとかして欲しい。あの主審が国際審判なんだって言うならはっきり言って、世界への恥さらしである。現に浦和大分戦で大暴れしたJリーグ認定スペシャルレフェリーがW杯アジア予選の5位決定戦という大事な場でルールを忘れ、大恥を晒してしまったではないか。恥晒してからでは遅いけど、それでも恥を恥と認めず開き直るよりかはなんぼもマシである。日本サッカー協会も、国際舞台の公式の場で堂々と審判に「警察に行け」と言うような人間を代表監督に据えているのだから、その辺のレベルアップをしっかり図って自衛すべきだろう。何時何処で寝首かかれるか分からないよ。そんなことじゃ。

とか何とか言いつつ、今日は微妙なPKの判定による浦和先制点と、審判の明らかな誤審による川崎幻の3点目の取り消しが無ければ結果が分からなかったという内容。実に複雑だ。空相手側に2人の退場者を出し、その代償に偉大なるエースを失った柏戦もそうだけど、あくまで「結果的に」というエクスキューズがつくにせよ、不安定なレフェリングがキーになって勝った試合というのは、かつて逆の立場で憂き目に何度もあってきたこともあり、とても複雑なんである。喜びたいけど素直に喜べない。けど、やはり喜ばなければならない。次のガンバ戦に繋がるのだ。実際選手に罪はないし、非常によく、審判のジャッジした以上にフェアに戦っていたのも間違いない。

僕は今の住まいが近いこともあって、川崎には割と肩入れすることが多いのだけども、あえてここで川崎に言いたいのは、例え審判のレフェリングが不安定で、それが結果として負けに繋がったとしても、イコールそれが負けた根本的原因ではないということだ。公平に見て、この試合は、どっちが勝ってもおかしくない試合、という表現が最も適した試合だった。それは審判が優れててもアレでも動くことの無い事実だろう。けど、川崎が前半、流れの中からの決定機を3度外し、以降、セットプレー以外の決定機を作れず、シュート3本に終わったのもまた事実。そして、右サイドからポンテにフリーでクロスを上げさせ、完全に箕輪が闘莉王との競り合いに負け、力でねじ伏せられる形で決勝点を奪われたのもまた事実なのだ。確かにセットプレーは完成している。守りから攻めへの切り替えも速い。川崎は良いチームになったと思う。だけど、浦和に勝ちたければ、ポンテはフリーにしちゃいけないし、まして浦和のチーム得点王の闘莉王に競り負けちゃいけない。それができてれば、この試合だって引き分けられたのだ。堅守から速攻、その本来の川崎の怖さは、この試合では見えてこなかった。前半の決定機が出た時間帯を除いては。

浦和や日本代表にも言えることなんだけど、審判の何やかにやに関係なく、力でねじ伏せられるチームが本当に強いチームなんだ、ということなんだと思う。そういう意味じゃ、Jリーグ前半戦の浦和は、チームとして不安定だったし、ひとつの判定で崩され負けるケースがあった。けど後半は、耐えるということを学んだのか、退場者を出しながら首位争いのチーム相手に2点のビハインド追いついたりもした(あの試合には目頭熱くなったよ僕は。絶対負けたと思ったし、浦和を勝たせない何かが働いていると感じてた。同点に追いつくまでは。)。アジア杯で審判のレフェリングに苦しみながら日本代表が優勝したのは、文字通り、アジアのレベルであればトップクラスにいるチームが何やかにやを「ねじ伏せた」結果。勝負事である以上、審判のいちゃもんにかかわらず結果を出した方が勝者なのだ。審判への文句は結果を出してから本来は言うべきなんだと思う。いや、言いたくなる気持ちはほんと良く分かるし、後味も悪いんだけどもさ。ホント。とりあえず、せめて退場者は出て欲しくなかったなぁ。

とにかく、浦和は、川崎の無念の分まで、次のガンバ戦、しっかり戦って欲しいものと思う。ついでに、浦和の無念の分まで、しっかり戦ってガンバ叩けよ、ジェフ千葉