シャッターを切るよな速度も霞むスリル。

どうも背水の陣的極限状況(論文書いてたときとか演奏会前とか納期前だとかなんとか)に陥ると、部屋の掃除どころでなくなる……けど鬱屈とした結果物欲は溜まる……細々買い物する……モノを溜め込む……更に散らかる……という、所謂、ぷち消費スパイラル状態に陥る僕ですが(試験勉強の逃避で掃除をしたくなる、なんて高校生の頃のピュアな感性は何処へ行ったんだろう……)そゆしがらみから解き放たれ部屋の片付けにようやく着手すると、出るわ出るわその間の消費物。つか、消費しようとして買ったは良いが消費してない物、もしくは不完全消費物。6畳間のうち4畳、即ち2/3を掃除した段階で、読んだことも半ば忘れたようなマンガや、未聴のCDがごろごろ。こゆときに1回買ったCDを2枚目間違って買ってしまうとか(イノトモの『星と花』でやった。イノトモ次のシングルでくるりのバックコーラスらしいな。ちと嬉しい。そいやイノトモのアルバムも買ったはずだ何処行った……)、巻数飛ばしてマンガ買ってしまう(『BECK』のこと。2の次に4巻買ってた。)のだ。まぁ人間の習性だから仕方ない……て、僕は烏、つかリスか?埋めたモノ忘れてるてことは……?

まぁいいや。前置きが長くなった。そんなで出てきた消費物。中には「良い!」と思ってすっかり忘れてたモノもあったりしたので、ちょっと書く。とりあえず1個。


『シャッター・ラブ』-おかざき真里

色んな種のマンガ描いてるけど、本当に「安心して買える」漫画家だよなこのひと。画的にもプロット的にも、絶対、ぉぉ、て思わせてくれる。彼女のマンガを読むと、オトコて女性に一生適わないイキモノなんだなーと痛感する。というか、彼女の読者層を考えると、女性、とはっきり割切ってしまうよりかは「オンナノコと女性の狭間に居る世代」とでも言うべきか。

御噺的には、タイトル通り、て感じなんだけども、最期のオチはやはりおかざき節全開、て感じだ。この世は、オンナノコと、オンナノコ的なモノを持ち続ける女性のためにあるのだ。テンポ感も絶妙。カメラ欲しくなる。静的な視覚メディアであるマンガで敢えて「視線」、まして同じ2次元静止平面である「写真」を扱うのて、けっこ難しいことだと思うのだけど、主人公の「視線」とコマ割、即ち「読者視線」がリンクした瞬間生まれるあの昂揚感ったらない。


いやいや、同じく「写真」をテーマに佳作『部屋へおいでよ』を生み出した原秀則センセ、電車オトコなんざ描いてる場合じゃないですよ。電車なんて快速運転でオトコが待つホーム通り越してあっと言う間に終着駅ですよ。終点はアンドロメダ、ではなく、現代においては最初から最後までオンナノコですよ。純愛ブーム、なんてオンナノコのピュアな願望が生み出した共同幻想であり、オトコはその掌に乗せられてくるくると踊らされてるだけですよ、基本的には。amazonレビューが辛口なのは、多分、そんなこんなな事実を認めたくないからだろう。なんて暴言吐いてみる。はっは。