御世話になったライターさんが亡くなられました。お通夜の帰りです。

彼にはいつだって声援を送られてきた気がします。本当に面倒見がよかった。少しでも恩返ししたかった。こんなことならせめて、押しかけてでも一度サシで飲んで、スパイラルライフ渋谷系のパクリの相違点と共通項についてぐでんぐでんに語りたかったです。スパイラルライフナイトだって、招待状を送るつもりでいたのに……。

すみません、何を書いていいのかわからないんです……どうか安らかに……ご冥福をお祈り申し上げます。

イベントレポート書きました。

お仕事メモ。東京カルチャーカルチャーで4月に行われたカレーイベントのレポート書きました。お時間あれば是非。特製カレーあり、カレーいけばな(!!)ありと、楽しいイベントだったよ、ほんとに。ちなみに今日カレー食べました。

http://tcc.cocolog-nifty.com/blog/2008/05/vol92008426_2738.html

カルカルでスパイラルライフのファンイベントをやります。


題名の通りですが、お台場の東京カルチャーカルチャーhttp://tcc.nifty.com/)にて、僕が人生で最も影響を受けた音楽集団・Spiral Lifeのファントークイベントを開催します。
http://www.exhivision.net/SLBN/

名づけて「SLBN〜SPIRAL LIFE BOOTLEG NIGHT」。

開催は6/8(日)。17時開場、18時開演。

お台場がスパイラルファンの新しいメッカになればという思いをこめて企画いたしました。

企画陣メインには、スパイラルを語る上ではもっとも心強い方、アオキエリさん(from "exhivison")をお招きいたしました。ガチンコで準備してます。司会やります。

スパイラルライフという単語を耳にすると、甘酸っぱい気持ちが体を満たす方、電流が走る方、最近AIRSCUDELIA ELECTRO経由で彼らの存在を知った方、彼らに青春の影を半分奪われた方……ぜひ、6/8はお台場に大集合してください!どうぞよろしくお願いいたします。

「スパイラルについて語るときにぼくの語ること。」

96年に突如“活動休止”したSpiral Life。洋楽化していく日本の音楽シーンを牽引したフロンティアにして、たった3年間の活動で、Jポップ・シーンに与えた強烈な影響は計り知れない。その軌跡=奇跡を、今ここで振りかえる。「ヒストリーコーナー」「秘蔵○○コーナー」「みんなで元ネタ探求コーナー」「みんなで作るベストアルバムコーナー」そしてイベントの最後には、二度とでてこない最強レアアイテムのプレゼント大争奪戦ありなオールドスクールファンはもちろんニュースクールファンも大集合してのファンによるファンのための一夜・・・それがこの“SLBN”。ともに語らん、Spiral Lifeは、儚い過去進行形などではないということを・・・。


【出演】アオキエリ(from“exhivision”)、河原あず(東京カルチャーカルチャーnifty)、他、飛び入りマル秘ゲストあり!?!?

http://tcc.nifty.com/cs/catalog/tcc_schedule/catalog_080512187834_1.htm

チケットは、数日内にローソンチケットより発売!続報をお待ち下さいませ。

合唱顔と「オトノハコ」。

音楽部時代の知人に「うた魂♪」の話を振ったら、そういえばという感じで「オトノハコ」の話に転じました。

オトノハコ (KCデラックス Kiss)

オトノハコ (KCデラックス Kiss)

これもなかなかの名作です。

うた魂♪」は完全にアウトサイダー視点で合唱をとらえていて、そこが逆に新鮮だったわけですが、「オトノハコ」はインサイダーな視点で合唱を描いています。著者が経験者なのかもしれません。

「細かいとこの描写がヤバいです」と知人は申しております。言われると、なるほどたしかに。現場を知っている人のセンスの業ですね。

「オトノハコ」と「うた魂♪」に共通しているのは、「愛すべき凡庸さ」とでもいうべきものがキャラクターにあふれていることです。

「愛すべき凡庸さ」というのは、特に学生合唱を語る上での重要なテーマだったりする気がします。

たとえばのだめのように、天才がいる世界じゃないわけです。美人ソリストとか、イケメン指揮者とかそういうのが求められる世界ではないわけです。

そこへくると、「うた魂♪」の主役に夏帆を起用したのは正解だったなと思うわけです。キレイだけど無茶苦茶に美人ってわけじゃありません。美人というよりは、美少女の部類です。何処となく、垢ぬけません。だけど、凡百の女優に比べて、「愛すべき凡庸さ」を多分に抱えてるキャラです。

昨日の話につながりますが、その抱えている凡庸さこそが、「合唱顔」のラインに沿ってるわけです。 あれで、オペラ顔のソプラノにバリバリ歌われてはいくら歌が夏帆の百倍うまくても、現場の空気感が台無しというものです。

「オトノハコ」の筆致もそうで、デフォルメされつつも、繊細なタッチで描かれるキャラクターたちは、これまた文科系独特のアウラをまとっているわけです。これもかなり忠実に「合唱顔」してます。そういう意味では、両作品は実に忠実に、合唱という世界観をつくりあげているといえるでしょう。

……あれ? オトノハコの話のつもりが、「合唱顔」の話に返ってきてしまいました。

いや、昨日のテキストできた反響がすべて「合唱顔ってあるね!」というものだったので。図にのってみました。

余談なんですが。社会にでると合唱をやっててもなかなか「合唱顔」にあえないんだよね。……これが大人になるということか。

「うた魂♪」全肯定!

うた魂♪」観てきました。
http://www.utatama.com/

ぶっちゃけ最初に合唱映画化ときいて、しかもゴリが主演ときいたときには、ロクでもないものができるだろうとたかをくくってましたが、いや、面白かった。全肯定です。

マイノリティな文化を青春映画のフォーマットにあてはめるという手法は「ウォーターボーイズ」のヒット以降すっかり確立した感はありますが、それとはまた別の流れがここに混じった印象が、うた魂♪をみるとあります。ガチなんだけど、ガチじゃない。茶化した感じと、何処か突き放した感じの絶妙なバランス。キャラクターづくりの徹底。マンガ的手法・言語的解説の多用。妄想家で、道化的な主人公。このあたりに、のだめ的な匂いを濃く感じます。

プロットはスウイングガールズ、ディテイルはのだめカンタービレ。 こんな要素を実にうまく融合させたのが「うた魂♪」という印象を受けるわけです。結果、想像以上にきちんとして明快な作品が出来上がったと思います。合唱人からの支持も、これならちゃんと得られるんじゃないでしょうかね。心ある合唱人なら。僕が心ある合唱人かは、かなり微妙ですが。

ともあれ、自分は心ある合唱人かもと思う人には一見をおススメします。

てゆうかもう、単純に「合唱顔」*1な女の子たちがマジに眼に涙をためてキラキラ歌ってる様をみたら否定できるわけないでしょ。そういうのをみて育ってきちゃったんだから。主人公も含め、よくもあれだけ「合唱顔」をそろえられたもんだと思います。グッとくるものはあります。

というわけで、下に理屈っぽいことをぐだぐだ書くので、読みたい人だけ読んでください。

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徹底的にキャラクターを重視してこういうコメディ映画をとると、結果的にリアリティが増すという不思議があります。例えば、「リリィ・シュシュのすべて」という岩井俊二のガチなフィルムに、合唱が重要なモチーフとして用いられてるわけですが、あれは描写がファンタジックでリアリティはほとんどない。対して、「うた魂♪」では、マイノリティとしての合唱をきちんとコミカルに描くことで、本質的な部分をあぶりだしているわけですね。のだめがオーケストラのそれをあぶりだしたのと構造的には一緒です。

ただ、「うた魂♪」が秀逸なのは外部からの視線を分かりやすく冒頭から入れ込んでることです。

「合唱って、なんだか傍からみてると理解できない。」

一言でいうとそういう視点です。

そういう醒めた視点、いわば「マイノリティを見下ろす視点」をきちんと導入しつつ、それでも、合唱、というか歌ってのはエンターテインメントなんだということを伝えようとしているわけです。 *2うた魂♪」というジュブナイルは、主人公がそのような視点、「自分は傍からみて変人に見える」という視点を理解することから成長していくという構図を持ってます。これは興味深い。小さい子供は鏡に映る自分が自分自身であることを認識したときにはじめて自己と世界を切り離して考え、それが精神的な成長の第一歩になるというのは、ラカンあたりのむつかしい心理学で良く言われるお話ですがつまりはそういうことなわけです。

その成長のキーになるのがゴリ演じる権藤のあの言葉なわけですね。言ってること自体は普遍的で、あらゆるエンターテインメントに必要とされるであろうことです。実にいいタイミングででてきて、しかもちゃんと茶化しつつ伝えてるのでまったく嫌みはありません。

他にも、選曲、特に尾崎豊の使われ方とか、色々考えたい材料は多いフィルムなんですが、さすがに長文になるものうざいので今日はここまで。

まぁとかなんとか言いつつ、実は一番語りたいのは「合唱顔」についてなんですけどね。



*1:あか抜けない雰囲気、文化系の匂い、偏差値は高めな感じ、気位高い雰囲気と温和な雰囲気に二分されがち。基本黒髪。制服はきちんと着てる。などなど要素は多々。

*2:のだめの場合は、こういう「見下ろす」視点は変人をそろえることで結果的には伝わるものの、直接的には描写されません。「変人=アーティスト=天才」として処理されます。

移籍のお報せ。

ご無沙汰しておりました。

まぁなんというか、年が明けてから目がまわるほど色々なことがあったわけですが、この度、春の人事異動というものがありまして、MOOCSと名前をかえて再スタートした音楽プロジェクトから、イベント関係のプロジェクトに移籍することになりました。

お台場にある「TOKYO CULTURE CULTURE」(通称カルカル)というイベントハウスの企画・ブッキング・オペレーションです。
http://tcc.nifty.com/

シンスケ横山さんの子分というのがわかりやすいかな。

カルカルというと、去年の12月に、編集を担当してた「利きジャケ」のイベントをやりまして。そこで横山さんとは知り合いまして。

色々「音楽のイベントやりたいですよねー。」という話を2人でしてるうちに、こういうことになってました。

仕事と趣味は別といいつつ、シンスケ氏とは音楽の趣味がよく合います。最初に話し込んだきっかけが、カルカルでの黒沢健一ライブでしたからね。あれは素晴らしいライブだった。

カルカルのBGMもヒット率が高くて、個人的にはツボです。

先日のイベントのときは「歩いて帰ろう」(斉藤和義)「マフラーよろしく」(ホフディラン)「ワンダーフォーゲル」(くるり)「マジで恋する五秒前」(広末涼子)「笑顔の未来へ」(エレファントカシマシ)「ポリリズム」(Perfume)「赤いスイートピー」……胸キュンすぎて参りました。基本的に、超・90年代ノットデッドなハコですね。

そんな感じです。どうぞよろしくお願いします。

2007年総括してみた。

●1月

オープンマイクでアルカフェデビュー。コーラスグループのほうは名づけが悪かったのか結局活動休止(笑)し、余興のつもりだったあずぴあが生き残った。気楽にできるほうが残るよね。新年会にもだんさんに招かれゲスト出演。ここでの不完全燃焼さが後の活動につながったのかも。そして前職退職。追い出しで、他部門の課長まできて、夜中までつれまわしてくれたのは疲れたけど嬉しかった。そして転職。音楽コミュニティプロジェクト配属。熱いことがはじまる予感につつまれる。iPod先代がおなくなりになり、80GBを導入する。APYCオーディションのレコーディング。ピアノのP先生のご指導により、一時間の格闘の結果、そこそこいいテイクがとれる。

●2月

合唱団ひぐらしレコーディング第一弾。タフな時間だったけど、ここまで真剣に自分らの音楽に向き合ったのははじめてだったと思う。団の成長も感じた。AIRの新譜にがっかりする。仕事はひたすらマーケティングな作業。モチベーションは高かったけどやや疲れるときも正直あったり。

●3月

ひぐレコーディングにはつめ。APYCのオーディションに受かったという通知をもらったはいいが、後々いやな思いをすることに。capsuleインストア@渋谷タワレコ(これ今年だったか…)。『Sugarless Girl』はこの時期むちゃくちゃ聴いたなぁ。唐ゼミ★の中野公演が良くて興奮する。ACLJリーグがはじまる。職場でバンドというものをはじめて体験する。鍵盤担当。爆音が心地よかった。この頃からあずぴあのアルカフェでのオープンマイク活動活発化。

●4月

くまくまXで山田耕筰を歌おうプロジェクトに参加する。横アリで行われたスパイラルライフの葬式に参加する。原稿も書いたよ。ひぐレコーディング終わって燃え尽きたのだけど、それなりにいろんな出来事があった木もするし、ぼんやりすることの多い時期だったかなぁ。モチベーションの維持が少し難しかった。

●5月

くまくまXの本番はつつがなく終わる。しかし当日が石田ショーキチのライブとかぶってたのが痛かった。金沢〜富山に取材も兼ねた旅行する。ライブハウスのオーナーとお話できてよかった。仕事では、「わかば対談。」(http://hmc.nifty.com/cs/interview/list/1.htm)の企画がはじまる。大変だった。

●6月

アレルギー咳復活。プラネタリウムとかで和む。実家でめいにさらに和む。きくまる写真館(http://hmc.nifty.com/vinvin/kikumaru/)の撮影に同伴し、制作デビュー。この浅草ロケはまじ暑かった。6/19にHuman Music Community(http://hmc.nifty.com/)がオープンする。あずぴあオープンマイクに再び出演。下北251で石田祭り。ヴィンヴィン★ランド(http://hmc.nifty.com/vinvin/)スタート。DELLのPCを買う。この店で一番高いギターの取材ロケ。御茶ノ水・神保町は暑かったです。

●7月

めがねを変える。「わかば対談。」リリース。第1回はマーティ・フリードマン氏(http://hmc.nifty.com/cs/interview/detail/070628000161/1.htm)。はじめて動画制作なんぞやってみる。埼玉県志木市の取材ですばらしい出逢いに恵まれる。唐ゼミ★の池袋公演。大学時代の同期である女優のSやTとしみじみ語り合う。劇の内容もとても素晴らしかった。ひぐらし演奏会。怒涛のスケジュールだったので、正直な話演奏会自体の記憶は深いものじゃなくなってる。男鹿和雄展にいく。ジブリの背景原画のひとね。

●8月

あまりに暑くて疲労は絶頂だった。こんな暑い夏はもういや。アルカフェで初のブッキング枠であずぴあライブ。WOWOW収録で泉谷しげるサンボマスターhttp://hmc.nifty.com/musicbar/20070816/)。この頃から、制作として取材同行していたこの店ギター(http://hmc.nifty.com/vinvin/takai-guitar/)とSHELLYロック!英語(http://hmc.nifty.com/vinvin/rock-eigo/)で編集作業にかかわるようになる。サマソニ取材(http://hmc.nifty.com/ss07/)。暑かったけど、ヘッドライナーのyanokamiのアクトが素晴らしく、またピロウズでぼろ泣きする。佐久間正英氏(http://hmc.nifty.com/cs/interview/detail/070820000178/1.htm)取材。緊張した。鶴見の花火大会は綺麗だった。8月の終わりの沖縄料理屋で何かがちょっと動き始める。

●9月

この月は転機だったと思う。8月以前の記憶は大昔だけど、9月以降の記憶はまるで昨日のことのようだ。渋谷AXでピロウズライブ。福岡〜壱岐〜別府に旅行いく(台風なのに)。劇ヱヴァに動揺する。Perfumeと握手する!やらかかった!超名盤、石田ショーキチソロデビューアルバム「Love Your Life」がリリース。以降パワープレイは未だに続いている。人生二度目の足の深爪の切除手術。佐野元春氏取材。

●10月

あずぴあセカンドライブ。吉祥寺〜福生と楽器店日帰り取材。この頃からコノイチの取材の深みを現場スタッフ全員が共有できるようになってきた。佐野元春と女子高生の「わかば対談。」(http://hmc.nifty.com/cs/interview/detail/070628000168/1.htm)。佐野元春と女子高生という組み合わせがキャッチーだったのか、過去最高の反響を得る。ヴィンヴィン★ランドのデザイン変更を担当する。ACLでレッズが勝ち進む。

●11月

楽器フェアでプレミアムギターショー取材。これも熱かった。矢野顕子くるりWOWOW収録ライブのレポート(http://hmc.nifty.com/musicbar/)。部屋探し。想像以上にあっさりと、2週間で同じ町内への引越しが決まる。石田ショーキチの下北シェルターライブが最高だった。レッズのリーグ戦の出来が悪くなってくる。しかし感動のPK準決勝のあと、ACL決勝も勝利。アジアチャンピオンに。ひたすら泣く。あずぴあライブでルーツ確認。オシム倒れる。クアトロの石田ショーキチライブで、前職の先輩と再会。レッズが鹿島に負ける。がっくし。

●12月

日産スタジアムでレッズが優勝逃した瞬間に立ち会う。引越し作業。初IKEAに興奮。トナカイイベント取材。4日連続更新なんて無茶を自分から言い出してちょっと苦労する(http://hmc.nifty.com/robbienight/report/)。が、結果的にはファンの方にも喜んでいただけたようで、満足。「わかば対談。〜はじめての、小西康陽。」公開(http://hmc.nifty.com/cs/interview/main/070628000162/1.htm)。局地的に話題となった(by id:ykurihara氏)らしい(笑)。浦和が世界クラブ選手権で3位になり金字塔を打ちたてる。チケットを確保していたピロウズライブにいけなかった。利きジャケイベントが盛況のうちに終わる(http://hmc.nifty.com/vinvin/kiki-jacket/20071228/)。32インチのテレビを譲り受ける。黒沢健一ライブで秀樹とのハーモニーを堪能する。来期についてあれこれ考える。1/4、きっと何かが起きますよ。

12/30に27歳になりました。本日12/31は5年間あまりお世話になった寮の退寮日です。