解き放たれて浪漫飛行。

もう月曜のことなんですが、午後休みで横浜美術館ルーブル美術館展(http://www.ntv.co.jp/louvre/)観てきました。平日に行かないとこのテのはまずゆっくり観れないからね、と。しかし、横浜美術館で「ルーブル美術館展」ていうのも、日本のアートマネジメントの現状を突きつけられてる感じがして、何と言うかいささかせつない。けど舶来モノはやはりありがたいので拝みにいく訳ですが。

行って見たならばロマン派の作品がずらーっと並ぶ実に爽快というか荘厳というかそんな感じ。ひたすらロマンティックが止まらない。陰影は激しく、血は濃く、色彩は前面は鮮やかに背景はぼかしぎみに、構図はかっちり、人間や動物の表情はくっきり。その色彩、構図のディテイルを眺めているだけで楽しくて仕方ない気分になってきてしまった。元来僕は過剰演出なドラマツルギーに弱い。嗚呼そうか、僕もロマン主義者だったんだった。(様々なひとに指摘されてるので最早開き直ってる。まぁ、事実そうなのだ。)

その後常設に流れたら、印象派からピカソキュビズムってる作品までずらり並んでて、絵画史を紐解くような感触があってそれもちょっと楽しかった。横浜美術館だって、別の美術館の名前を冠して胸を借りてもタダでは起きないのである。ロマン派を眺めた後のマティスセザンヌ作品の晴れやかさったらなかった。やぱりいかにも日本人的な感想だけど、印象派好きだ。こういうモノからこういう風に絵画を解放したかったのか、と、なんだか合点の行く流れ。そしてその構図破壊+再構築の極みであるブラック、ピカソまでちゃんと抑えてる。行く方は常設もセットで眺めるのがオススメです。


ロマン主義で思い出したんだけど、僕て実はロマン派の音楽にはトラウマあるのよね。それは高校の音楽の時間にベルリオーズの「幻想交響曲」聴かされて感想を書かされるという極めて苦痛なトラウマが身体からくっついて離れないせいなんだけどもさ。けど、大学入って当時大学で助教授してた許光俊氏がやはりベルリオーズ「幻想」にトラウマをもってるてことを知り、クラシックの専門家もトラウマになるもんなんだな、じゃぁ他のクラシックをまともに勉強して聴こうかな、と思えるようになったんだよな。幻想は(特に演奏によってはすごいモノがあるらしいし)やっぱり中学、高校生にはトラウマになるて。教科書に載せるの止めて欲しいと個人的には思うくらい。余談でした。もう知り合いの演奏会でもない限りは、あんまクラシック聴かないけど(だめじゃん)。