迷う理由さえも見つからない。


『Missing』-ELLEGARDEN 良いですね。と、今更のように。こないだスネオのCDと一緒に買いました。彼らが日本語詞のアルバムを作ったら迷わず買うと思います。仕事帰りに電器屋が1件あるのですが、そこ通る度、有線か何かのタイミングが良いせいなのかなんなのか、何故かぎんぎんぎらぎらと流れてるんです。ピロウズのトリビュートの話をさわおからもらったとき「Funny Bunny」を選んで構成を変えて直球な8ビートでカヴァーしてしまった辺り、やるな、という気はしましたが、いや、見事なモノです。メロも構成もアレンジもシンプルだけど奥深い。『Missing』に限って言えば、彼らがリスペクトしてるらしいアジカンのシングル曲よりずっと好きです。ピロウズの痕を告げる若手の登場、という表現が適切かは分からないけど。

「間違って/少し笑って/さまよっては/君に出会って/笑ったこと思い出して/We're missing」

ツボなのは「I miss you.」ではないことだ、主語が複数形の一人称であり、時制が現在進行形であることだ。最期の英詩を見ると「We're missing you」となっている。かつて「We」と介在した何かの存在を爆音の隙間で一瞬想起させる。おまけに夜も眠れないらしいじゃないか。ねぇ、君は何処にいるんだろう?そんなことを思いながら、それでも少し楽になりたくて、一時の暖かさに身を委ねてみて、だけどそうすることによってますます二人称の存在が重く「We」にのしかかるのだろうか。だから時にめぐり合いながらも結局、視線が届かない場所へ逃げこみたくなるのだろうか?

なんてテキスト論はどうでも良い。とにかく日本語詩中心のアルバムをつくってくれ。マスタリングもミキシングも良い具合だ。過剰でもなくかと言って欠落も無い適度なロマンチシズムと美メロ爆音が耳をくすぐってくれる。勝算みたいなものがこのバンドにはあるな。そして、きっとこの感覚は日本語詩で生きてくると思う。なんとなく。日本語の選び方と乗せ方、巧いんだよ。