放つ光を心に焼きつけ話さない。

星と重なり打ち上げ花火/隣の横顔よく見える/優しい笑顔君のカタチ/それは誰かが描いたスケッチさ

「打ち上げ花火」-スネオヘアー。『a watercolor』と『SUN!NEO!HAIR!』の2枚に収録された夏の1曲。倦怠感溢れる(実にオトそのものから倦怠感なのだ。夏の湿度の高さが良い意味で再現されてる名アレンジ。両方とも。)夏の風景描写に挟まれたサビの歌詞がこれ。字面に起こすとなんて恥ずかしい詩なんだスネオヘアー

だけど面白いのは、「優しい笑顔」を描いたのが、一人称ではなく「誰か」という第三者だという事実かもしれない。「誰か」というフレーズひとつでこの曲のテキストの持つ意味は大きく変わる。光が弾けオトが胸に轟く。その一瞬の光に移る隣の笑顔の影の部分を、或いは1人称は見逃せなかったのかもしれない。あぁそうか、笑顔をもたらしていたのは、自分ではなかったのか。諦観と嫉妬の交錯。やはり打ち上げ花火てのは、根本、せつなくいなたいものなのかもしれない。無条件に楽しい花火なんて、僕は今まで観た事ない、考えてみると。

……何が言いたいかと言うと、川崎市の花火大会、1時間で終わってしまうのはせつないなぁ、てことなのでした。良かったけどね。無い物ねだりなのかもしれないけども。けども。ども。