誰が本屋を殺したのか?

http://www.sankei.co.jp/news/040719/boo020.htm

いやねぇ。お説ごもっともなんだけども、これって結構難しいんですよね。等と、数年前ただの書店1バイトに過ぎなかった人間がしったかぶって色々かいてみる。

そのいち:1週間から10日という注文からの日数。これはフツウに考えてはっきり言って遅い。けどこれて書店に問題がある、というよりかは、書店から注文→出版社営業→出版社倉庫→取次配送→取次集荷→取次発送→書店店頭、なんて実にまどろこしいプロセス経てる以上仕様も無い問題、という解釈が妥当と思う。ネット書店は大量の在庫をでかい倉庫で一括管理しつつ宅配業者と繋がってるから3日で届くなんて芸当できる訳で、余程の投資をしないとこんなことできない訳です。倉庫持ってそうな一部の大きな書店(もしくは倉庫と化してる大規模書店)や出版社に営業を回して本を直接もってくる余裕のある書店、もしくは神保町辺りで本仕入れてくる余力のある書店はまだしも、中小は取次経由の流通に頼らざるをえない訳で、これ全国どこの書店でも、て改善するとなると流通そのもの変えなきゃならないですぜ。それには書店より先に取次が変わらなきゃ。まぁ大手のトーハンやニッパンはともかく、例えば取引額1位だったABCこと青山ブックセンターを潰した栗田さんなんて、こゆ流通上の問題点に積極的に対抗策練らないと、拙いんじゃないですか?まぁ大手が変わらないと何も変わらない気はするけど……。

そのに:書評とか新聞広告てどんな本が何時載るかて想像できない部分が大きいですね。ジャンルや出版社によってはロクに出荷してない本が唐突に載るケースもあって、対応に困ってることもありました。基本的には実際の出荷とは大体かみ合ってない気がする。大体配本(本は本屋から、この本を何冊欲しい、と前もって言ってあるものを除いては、「この本屋のニーズからいってこの本を何冊だろう」と取次に勝手に冊数と本の種類決められて一方的に送られてくるシステムなのです。配給と一緒だから、配本。)されてくるのが1〜3冊とかだったり。それで書評載ってから「おもろいかも」と思って注文したら入荷までに数日かかったり、とか、品切れ次回刷り未定、なんて結構ザラ。お手上げですよそうなると。特に売れてる本や、その逆におもろそうだけど売れなさそうな本を仕入れるチカラのない中小書店なんて。

そのさん:「すぐ手に入らない本はネットショップで買って客の自宅に届けるくらいのパフォーマンスでもしてみたら?」 利益ゼロどころか人件費さっぴいたら赤ですよ……大体流通と店の経営まで時には取り仕切ってる取次がそんなことやったらたぶん黙っちゃいない。けど将来的には、ネット書店と中小書店の提携、とかあるんですかね。そゆスキームあってもおもろいとは思うのだけど……だけど取次が顔利かせてる以上は無理じゃないかなぁ……。


ともあれ書店の品揃え、てのは「不良在庫」に化ける可能性がある以上、リスクはとても高い。値段下げられないしね。売れない場合は在庫処理の方法は返品しかない。大きな書店はいいさ、一括して仕入れて返品もできるから。出版社も取次もお得意様だからと大目にみてくれる。けど中小は「返品率また上がった、配本減らす」といわれたら終わりなんですよ。困り者ですね。どうしたらいいんでしょう?まぁ書店淘汰の時代はもうABCがつぶれるずーとまえから始まってる気はするけどね、実際問題として。