Game Over〜困惑のABC PANIC。

http://www.asahi.com/national/update/0716/032.html

青山ブックセンターことABC倒産!てのは(衝撃だけど)置いといて、気になったここ。

取引先の出版取次会社の栗田出版販売がこの日、東京地裁に同書店のグループ3社の破産申し立てをしたため、営業の継続を断念したとみられる。

取次の権力て強いのね。因みに旧バイト先は栗田さんと取引をもっとりまして、なんだか他人事ではないのですよ。まぁ握ってる番線印(これ1個あれば本ががんがん注文できる魔法の判子。但し、使いすぎると返品率の悪化を招きやすく、そうなると魔法の効力も薄れてくのか配本が減ったりしがちなのさベイビー。)が栗田1本だけではないので、逃げ道はあるのかもしれないけども。んー。

サブカルに偏向した書店」(by id:ykuriharaさん)て点では旧バイト先の阿佐ヶ谷店や新宿店も全く例外ではなく、果たしてどうなることか、という感じだけど。まぁ自転車操業的に拡大路線辿って立ち行かなくなって倒れる、てのが素直にひねてみた観方か。それも淋しいのだけどもなぁ。

余談も余談だけど、書店の出店、てのは取次からの出資がないとまず成り立たない(まず本が入らないし、この業界はカネもない、カネもないから貸してくれる相手もいない。)はずなのだけど、一度出店すれば出店時の借金を返すため稼がねばならない。逆に店を畳むと途端、借金が残るどころか、店の本までも「不良資産」と化す。返品するて言ったって返品不納品だって返品受けない出版社だってある。取次だってそんな大量の返品を一気に受けたいはずがない。そんなで一度拡大すると拡大するしか基本的にはないのよね。そして規模が拡大するほど在庫の数も増す、不良在庫の数も増す……。そして、取次が「ごめんね、バイバイバイ!」と言った瞬間、今回のケースのように、バイセコーはぱったり倒れるのよね。あーぁ。Game Over。

この「取次」という制度を巻き込む再販制のシステムがもたらす不健全性/弊害については今更僕がどうこう言うことじゃないのでこれ以上は書かないけど。だけども儲からない覚悟なきゃ本屋できない、てのもなんかこう不健全な気はする。こうなるとでかい倉庫もって大量の在庫を抱えてる流通もしっかりしてるネット書店、或いはネット書店的な流通網を抱える書店のひとり勝ちで、中堅の書店はどんどん立ち行かなくなってくだろうに。そうするときっとますます偏向したマニアックな小さな書店との二極化(或いは金太郎飴な文教堂的商売を「本屋」と見做すなら三極化)は進む一方だろう。それでいいのかなぁ?だって、無駄足で書店行ってもそこが別のおもろい本見つかる書店だったらOKじゃんか、て思う僕の考えが古いんだろうか?

……とここまで書いて想いついた。わかった。結局根本的な問題は、「偶然であって面白いと思える本」の数が減ってる(或いは表にでてこなくなってる)ことなんだろうな。と。本屋もそうだけど、コンテンツを造る側も配給する側も努力しないといけないんだろうなぁ。けどこの活字不況下どうやって?それを考える仕事したい、て思った時期もあるにはあったなぁ……。けど僕より本のこと愛してる人間なんて、幾らでもいるからなぁ……。と、ここまで書いたとこで筆を折る。これ以上こんなこと書いてもしゃーないや。