「元々天体観測てタイトルでした」。

『回転銀河(1)(2)』-海野つなみ。少女マンガコーナには異色な各既刊の緑と青のカヴァーデザインに惹かれ、作家自体知ってたのもあり半ばジャケ買い

中身は「だからぁ連作には弱いんだってば!」と言いたくなるそんなこんなな形式の学園恋愛モノ。モチーフは少女マンガやFeelYOUNG系で使いまわされきったモノだけども、それを狙った感じなく自然に描けてしまってるところがかなり好感。

以前93年作品である『ロマンスのたまご』を読んだとき感じた「少女マンガ作家にしてはセンがしっかりしすぎてるかな。」という特徴も、もっと上の読者層をターゲットにし、少女マンガとヤング誌の中間項を狙った印象を受ける今作では(画力の安定もあってか)かなりしっくり馴染んでる。物語も少女マンガのフォーマットに窮屈に収まってた旧作よりずっとのびやか。キャラも魅力的。ちょっと良いモノ見つけてしまったなぁ、と思ったのでありましたとさ。ただ、ネタが出尽くしてきたとこでこのさきどう続くかちょっと未知数だけに全体的な評価は保留。てとこで。