ビジネスとしてのJASRAC論?

結局2月中に読み終える、と言ってた『著作権の考え方』が止まっている。もう少しなんですよ。て新書1冊片付けるのに何週間かかってるんだろう全く。少女マンガばかり読んでるからだ。さておき、この本が提起したい問題意識と、著作権に纏わる諸所の問題、或いは問題を生まざるをえない理由、そしてこの本自体の抱える問題点に関しては大体つかめてきた。

JASRAC「悪名高い」なんて書いたのは「まぁなんとなく世間様はそう仰言ってるし」という極めて一般論的な文脈においてアイロニカルに書いてみただけなんだけど、よくよく考えたらこれは結構失礼なことな気がしてきた。

前もちょっと思いつきで書いたけど、JASRACのお仕事て一種の専門業種のアウトソーシングなんですよ。だからビジネスとしても成り立っちゃうて訳で。この辺りは「必要悪」という文脈も加えないといけない気もする。法律は善という前提だから、必要善、か。必要善を機能させるための必要悪(厳密に言うと法律を遵守させるためでなく、著作物の利用料を適切に分配するための組織だったりするのだけど、そこはそれとして。)。

彼らは憎まれ役を買ってくれて、日のあたらない仕事を毎日やってる。諸方面から主にお金と契約云々のトラブルに関して文句言われながらそれでも一生懸命にやってくれてる訳ですよ。そんな面倒なこと誰もやりたがらないし、必要な情報量が膨大で誰にもやれない。だからJASRACに委託する。そしてますます儲かってしまう、マージンなんて割と自由に設定できちゃうしね。そもそも競合少ない訳だし。て、アウトソーシングまんまじゃん。はっは。

まぁビジネスとしてのJASRACの話は置いておいて。『著作権の考え方』に戻すと、この本はやっぱりお役人/法律の専門家の書いた本なんですよね。実に整然とした理論が並び理解りやすいし言いたいことはいちいちごもっともなのだけど、やっぱり腑に落ちない。そもそも僕は正論てのが苦手なのだ。確かにあなたは正しいことを言ってる。で?とどうしても言いたくなってしまう。あぁひねくれモノは困るわね。で、実際この「で?」以下の部分は大体頭の中で纏まりつつあるのだけども。それはおいおいということで。一言だけ言うと、この本て実はビジネス書に近い匂いするですわ。なんだか。