わたしのちからを。

PC立ち上げて『ジャンスマシネマ』-Jungle Smile のライヴ板を流してみる。結局ジャンスマをライヴで観る機会はなかった訳だけど、この記録映像を観る限り、これは生で体感しておきたかったかもしれないと思う。音も良いけど、とにかく高木郁乃。歌なのか叫びなのか、というギリギリのところで声を叩き付けている。『冒険』なんて音が滅茶苦茶だ。けどダイナミックなダブプレイにその壊れ具合が妙に乗っかっている。目の前で聴いたら頭壊れてたかもしれない。誰かが「高木郁乃Coccoは重なる」と書いていたけどその通りだと思う。むしろある種の「切実さ」は高木の方が有していたかもしれない。Coccoの方が歌は巧い。懐も深い。物語性が強い。評価も高い。だから尚更に。

そんなことを考えながら本棚を漁ってたら、解散1年前位のジャンスマのインタビュが載ってるCASTを見付けた。今読むと解散した理由がよく理解る内容。何時までも少女のままだったウタウタイは、結局、世間と自分との距離を巧く適合させることができなかった、と。乱暴に言うとそんなだろうか。彼女は未来を歌うことはなく、過去と、過去を引き摺った今だけを歌っていた。未来を夢見る頃がもっと永ければ、しあわせに歌って過ごせたのかもしれないのにね。そんなジャンスマも、ちょっと、観たかった。