2004年 第3回マイ・レコード大賞 受賞式。

2005年1月1日、この良き日に第3回マイ・レコード大賞(主催『asap.』)授賞式を虚構致します。

厳正なる剪定、偏見に満ちた審査により下記の受賞が確定致しました。

【大賞】 『BRAND-NEW MOTOR WORKS』-MOTORWORKS (id:assa:20040929他)

 大賞は『BRAND-NEW MOTOR WORKS』-MOTORWORKS に決定致しました。はっきり言って、ぶっちぎり、文句無し、圧勝です。つか、大賞については審査するアタマなんて最初からなかったです。デビューシングル『Speeder』が6月にリリースされて以来、つか、ライブ会場で彼等に遭遇して以来、僕の今年の音楽生活は彼等中心に完全にシフトしてたんだからさ。http://d.hatena.ne.jp/assa/searchdiary?word=MOTORWORKS を参照下さい。なんだよこの関連記事の件数。という具合な浮かれ具合。

 アルバムがリリースされるとその傾向は更に加速。秋頃には先ず朝、「The Slide」か「ステレオ・ラヴ」耳から脳に叩き込まないと目が醒めないくらいの勢いでしたわ。僕は大概、iTunesつかって、新譜でたり新しいCD買ったりする度にその新譜中心にプレイリストつくって、CD-RにMP3データ数100曲焼いてCDウォークマンにぶちこんで持ち歩いてるんだけども(だからコピーガードかかってCDに焼く回数制限かかるようになると、現状の音楽聴取環境のままだとちょっと困る。そうなっても仕方ないとは思うけど、困る。余談。)、彼等のCDリリース後、常に焼くCD-Rの冒頭はMOTORWORKSでした。最初の時期は『Speeder』でCDスタート、8月後半以降焼くCDには『Missing Piece』が加わり、9月このアルバム発売後は常にこのアルバムから、て感じ。「The Slide」が数100曲収録の1曲目、てCDを何枚焼いたことか。CDウォークマンたまに機嫌損ねたりリモコンボタン間違えて押されたり、電池少なくなったりで、突然止まって、1曲目にいきなり戻ったりすることが多かったんだけど、飽きずにまた1曲目から聴いてた。シングルカップリングも全部ぶち込んで聴いてた。シングル収録曲含めてひとつのアルバムみたいなモードになってたな。カップリングを通して聴くと、また良いんだわ。そして「Missing Piece」のアコースティックヴァージョンで締めて、次の別のひとのアルバムに切り替わる。そゆ聴取パターンでした。あらゆる音楽の入り口がMOTORWORKSだったんだな。他の音楽聴くにはまずコレを聴いてから、て感じ。でした。

 とにかく今更中身についてはどうこう言わない。リンクを辿ってその僕の浮かれ具合を眺めて笑って、見逃してください。ともかく、ありがとう、MOTORWORKS

【大賞次点】 『フォーク』-スネオヘアー(id:assa:20041215)

 で、12月リリースのクセに一気に次点。そう、MOTORWORKS中心の僕の音楽生活に一石を投じたアルバムがこいつでした。ポップなのに実にクセモノで、内向的な部分と外向的な部分のバランスをオトで測りながら往復し、昇華してく。(質感としては斉藤和義『ジレンマ』に似てるかなぁ、と個人的には思った。中身は違うけど、コンセプト的な部分がね。)何度でも繰り返して聴ける名盤です。リンク先の評の異様な長さに象徴されますが、まぁこの盤は衝撃でした。

 先ず4月にぽっと出た「ヒコウ」(id:assa:20040424)が良かった。こんなシングルが入ったアルバム、どんなになるんだろう、楽しみで仕方ない、と思ってたら、リリース予定がずるずる延びた(オトナの事情てヤツか?)。で、パイロットとして出た「ストライク」「テノヒラ」が、悪く無いけど「ヒコウ」とは全くカラーが違ってて、どうなることか、と勝手にヒヤヒヤヤキモキしてて、実は期待値も落ちてたのだけども……

 ……最初聴きとおした瞬間、そう来たか!と思ったさ……やられた……期待値が下がってた分だけ、余計にやられた。

 なお、最近ではMOTORWORKS先頭に入ったCD-Rと『フォーク』と、12月に買った9月リリースの村上ユカの『角砂糖』の3枚を常時、持ち歩いてます。

【新人賞】 スネオヘアー

 次点に続きダブル受賞での2004年マイレコ大新人賞、堂々、スネオヘアーが受賞しました。MOTORWORKSも新人ちゃ新人で、スネオもデビューは古いのだけど、基準はあくまで、2004年id:assaが聴き始め、唐突にブレイクした、という部分なのですわ。MOTORWORKSは大賞とったし、新人と呼ぶには反則な部分あるし、ここはスネオでしょう、と。

 あのね。どれくらい衝撃だったかていうとね、1年で全アルバムと全シングル集めちゃったんですよ。CCCDかよー悔しいなぁとか、インディーズ盤見付からないよーとか文句言いながら。スネオの全ての曲を聴きたかった。こんな音楽屋の登場は、id:assaにとって実に久々で、センセーショナルでした。

 きっかけは年明けに買った『a watercolor』(id:assa20040126)。「セイコウトウテイ」にアタマスパナでぶん殴られたような衝撃受けた(成功、到底無理だと理解ったとしても、て絶望を前向きなオトのギターポップで歌うんだぜ?そら衝撃だってばさ)。そして「アオイソラ」「スピード」に目頭熱くした。次に『スネスタイル』を買った。「パイロットランプ」と「現在位置」と「自問自答」中毒に一時期陥った。そして次々とインディーズ時代の盤をかき集め、買うまいと思ってたCCCDシングルまで買った。ライブにも行った。川崎でのライブは、今までライブで感じたことない奇妙な感覚に陥った。こいつぁタダモノじゃない、と思った。とにかくCD-Rにぶちこんで、聴き倒した。内向的アオハルギターポップ。なんと呼ばれようと実はこのアオクササでスネオも30代だったりしようとも、彼との出遭いは、文句なしの事件だった。SONYは売るつもり満々らしいし、今後の動向も非常に楽しみだ。まずは『CAST』の表紙飾っておくれよ。買うから、買って、神棚に飾るから(ないけど)。

 スネオへのはしゃぎ具合は、この辺りを参照、てとこで。http://d.hatena.ne.jp/assa/searchdiary?word=%a5%b9%a5%cd%a5%aa%a5%d8%a5%a2%a1%bc

【最優秀楽曲】 『Welcoming Morning』-chappie, pal@pop(id:assa:20040227)

 基本的に2004年は、1日はこの曲ではじまってこの曲で終わってた。文句なしの受賞です。て、リリースは1999年。なんですけどね。2004年の曲じゃないじゃん!て突っ込みは甘んじて受けましょう。けど、買ったのは2004年の2月、渋谷のレコファンですわ文句はあるまい。つか、iTunesのプレイ回数が物語っている。今年は1曲単位みた場合は、この曲が全てだ、と。アルバムヴァージョン、シングルヴァージョン、pal@popイノトモヴォーカル)ヴァージョンのみっつあるんですが、気付いたら、再生回数トータルで200超えているんですわ。ダントツです。

 特に『NEW CHAPPIE』-chappie収録のアルバムヴァージョン。再生回数年間115回。朝起きたら「ウェルカムー」とひとりごちて、朝用プレイリストでこの曲を先ずかけ、布団に入るときは、ヘッドフォンしてこの曲から始まる夜用プレイリストで眠りに落ちてました。この曲の素晴らしい打ち込みを聴くと、落ち付いて眠れるんだよ不思議と。僕て、チープかつ凝ってる打ち込みのオトと歪んだギター聴くと誘眠できるという奇妙な特性持ってるのよね。スクデリやスパイラルもそうなんだけど。

 ともかくさ、この曲は文句のつけようがないです。pal@popによる全面プロデュース音源なんだけども、コーラスフェティ、打ち込みフェティ、ロマンチックでせつないリリック好き、ガールポップ好き、そんな自分からしたら、その全ての要素を凝縮して積め込まれたこの曲には脱帽するしかない。だって、イントロがピコピコ音のアルペジオの上に、川本真琴「だいすき」てウィスパーの連呼だぜ。その後、延々川本の「だいすき」ハイハットの如くに16刻んで繰り返されて、その上にストリングスのオトとコーラスが覆い被さってくるんだぜ。そらその囁きも刷り込まれて、セカイをアイしたくもなるてモノだよ。だいすきだ。何度聴いても飽きません。2005年も聴き倒しますね、これは。もし仮に僕が音楽をつくれる才能に恵まれていたとしたら、こんな曲をつくろうとするんでしょうね。つまりはそんな感じ。だいすき。何度でも言える。だいすき。

【優秀楽曲】 『ロックンロール』-くるり(id:assa:20040211)

 次点は『正夢』-スピッツ。迷ったけど、初回特典のライヴ映像DVD(今も僕は忘れていないよ、ワンゲル叩くクリストファのドラムスティック。)が良かったのと、1年通じて長い間聴き続けて未だに飽きずに聴いてる楽曲てことで『ロックンロール』選びました。「あなたを思う本当の心があれば/僕は全てを失えるんだ」。このフレーズが象徴する世界観を持つリリックをあの心地良いリフ流れる8ビートに載せられちゃ、完敗です。単純に同じ進行で終わらない芸の細かさも、この曲の表情の多面性みたいの顕してるようでツボにはまった。サビの3度ハモリも好き。ま、今の気分は、夢の歌より、旅立ちの歌、てことで。

【優秀カヴァー】 『ストレンジ・カメレオン』-Mr.Children(id:assa:20041021)

 最もステキだとid:assaが思ったカヴァー曲に贈る賞。まぁリンク先見てくれると大体言いたいことは書かれております。

 次点はかなりの僅差で、『ハイブリッドレインボウ』-BUMP OF CHICKEN。同じ盤に入ったピロウズのカヴァー曲。順番も1個違い。その差は何処にあるか、と言ったら、タワレコの最全面でディスプレイされてがんがんスピーカーからミスチル桜井がさわおの曲熱唱してるの聞こえてくる、というその状況自体が個人的にかなりツボだった、てとこでしょうか。おかげで人気でたのか、AXもクアトロもチケットとれなかったけどさ……先行15分で売り切れてのもどうなのよ……あの好きだった曲が今になって最評価されたら、嬉しいのは間違いないけど当然淋しくもなるはずさ。因みにずっとずっとずっと聴いていたので、この曲に「懐かしさ」は全くと言って良いほど、ない。初めて聴いたのもぅ、7年以上前だってのにさぁ。

【企画賞】 『シンクロナイズド・ロッカーズ』-V.A.@the pillowsトリビュート盤(id:assa:20040916)

 最もステキだとid:assaが思った企画盤に贈る賞。上記参照。これ以上ステキな企画盤には、もう暫くは会えないでしょうね。素晴らしかった。上記2組の他、ELLEGARDENも良かったです。
 スピッツ『色色衣』があえて言えば次点か。けど「僕はジェット」以外の音源持ってたしさー。確かにリマスタリングされた曲良かったけどさー。「ジェット」と初回特典の座談会、おもろかったけどさー

 蛇足だけど、あの面子でMOTORWORKS結成、CD発売てニュースを聞いたとき、「いちまい限りの企画盤」だと思ってたひと、いませんでしたか?僕は実際アルバム聴くまではその危険あるなーと思ってましたが、「The End」聴いてその心配は吹き飛んだクチです。あの盤のオトはこう語ってた。当時の仲間よ前略。今でもロックを弾いていますか?僕等は弾きつづけます。なんてな。新曲でる、て聴いた後だから言えることばかもな。あはは。

【MVK賞】 『スターゲイザー』-スピッツ

 最(M)もid:assaにとってヴァリュアブル(V)だったカラオケ(K)収録新曲に贈る賞。

 職場絡みで歌う機会が結構多く、皆が知ってる曲を歌う、て限定されてなかなか選曲に苦しんだ1年でもありました。プライベートのカラオケでは相変わらず自分的直球なげまくりの全力投球でしたが。そんな中、公私共に歌える大好きなヒットナンバーがありましたね、てことでこの曲を選びました。実は『正夢』のが好きなんだけど、あいにく、未だカラオケで歌ってないんだよなー……。

 しかしまぁ、この曲もいちねん通じて、飽きずによく聴いたモノだわな。何か終わり、また始まりー。て、新年にも相応しいすね。うん。

【MIL賞】 『Speeder』英詩-石田ショーキチ作詩。

 最(M)もid:assaにとってインプレッシブ(I)だったリリック(L)に贈る賞。id:assa:20040730 id:assa:20040806 参照。もう、この英詩は良い。アルバム持って気に入ってるけど、英語ヴァージョン収録のシングル『Speeder』持っていない方いれば買って損はないと言っておきます。「HEAT WAVE」のカヴァーもセットにして1000円(だっけ?)払う価値は十分ある。ロックンロールでアタマ掻き混ぜられっぱなしだからあのシングルは。何度か言ったけど、「Speeder」に関して言えば、日本語詩ヴァージョンより、英語詩ヴァージョン好きです。文句なしに、かっこえぇ。イシダが自分でミックスしたせいか、イシダの声、ちょっと大きめになってて黒沢健一とのヴォーカルバトル状態楽しくて仕方ないしね。にやり。

 次点は『ニューエイジドリーム』-AUDIO RULES(id:assa:20040531)。つかこっちもイシダ作詩だ。リンク先参照。「マダガスカルから流れ付いた小瓶〜」て下りには、このメロにこゆ詩の乗せ方があるのかーと、強引なリズムの乗せ方なのに自然に聞こえて、それにかなり驚き感動した。次のシングル曲『雨の中で』、イシダ作詩じゃなくなって、歌詞こじんまりになっちゃったねーAUDIO RULEZ。残念……。

 今年は他人に提供するから自分で歌わなくて済むぜ歌わせたいフレーズ書いてしまえー、ていう良い意味での気軽さでつくったせいか、イシダロマンチシズムの粋みたいな歌詩がごろごろとでてきて垂涎でしたわ。しかもうち3曲、結果的にしっかりメインヴォーカルでマイクをとっているところが、最高だね。全くもって、にやにやり、て感じだ。

【BGM賞】『渡良瀬橋』-松浦亜弥

 2004年、買いはしなかったけど、よく聞いたなーとid:assaの印象に残ってる曲。

 ひとりで餃子定食食べてるときや、ひとりで吉野家豚丼食べてるときに流れてきて、あーなかなか良い曲じゃん、弦とリコーダーの取り合わせて悪く無いなー、編曲あややの声に合ってるよな気するしー、と妙にせつなくなっておりました。曲もせつなければ、そのシチュエーション自体がそもそもせつない。その後たまらなくなって、中古で森高千里のベストを買ってきました。ちょっとだけ捻くれモノな僕です。見逃してください。

【特別功労賞】pal@pop

 リリース年度とかそんなのは一切関係なしに、2004年、id:assaの音楽生活に多大なる貢献をした音楽屋さんに捧ぐ賞。

 pal@popこと高野健一http://www.palatpop.com/ 2002年にリリースされたオリジナルアルバム『pal@pop』をchappie経由で興味を持ち聴いたのが、今年の5月。したらもぅ、コレがツボに入らないはずはない、てくらい良かった。基本的には生の弦やピアノとループを主体にしたやらかい打ち込みのオト、そして分厚いコーラスで構成されているオト。けどそれだけではない、独特の空気感をこの音楽屋は持っていて、すっかりその空気感自体にやられてしまった。

 先ずメロが良い。乗っかっている歌詩もまた、「Welcoming Morning」に溢れてる繊細で素直なロマンチシズムがアルバム全体にも生き渡ってる感覚を受けた。自身ヴォーカルをとる曲もあれば、女声に任せてる曲もある。しかし、アルバム1枚としてのトータル感は全く損なわれておらず、最高も最高。そして女声ヴォーカルに素直な官能性で絡む、高野健一自身の声もまた良かった。打ち込みフェティ、コーラスフェティを自認しながら、今までこのアルバムに触れられなかった自分が悔しいくらいに、良い盤だった。これもCD-Rにぶちこんで聴きまくりでした。

 その後、chappieのシングル盤『Welcoming Morning』(99年/3曲プロデュース)、高野健一名義で発売されたCD付絵本『悲しみの終わりに泣いてもいいよ』(03年/5曲収録)を購入。彼のロマンチシズムを存分に堪能致しました。ロマンチシズムというとかくくさくなりがちなモノをさらりと演奏する術て、あふれてるありたけのロマンチシズムと堂々向き合って、鳴らしたいと思ったオトを手を抜かずに、真直ぐに鳴らすことのみだと信じてる僕には、なんかそれを実践してる隠れた音楽屋の存在を知り、嬉しくなった訳でした。いや、稀代のサウンドメーカーであり、歌い手であり、詩人だと思います。

 但し、『悲しみの終わりに泣いてもいいよ』以降、プロデュースも減り、オリジナル作品のリリースがないのが少し寂しいところです。何時かまた、セカイをアイして止めれないような、素晴らしい楽曲を、世に送り出して欲しいと、祈りをこめて、歌詩引用。……「僕達は全てを失い、そして<大好き>という祈り一つで<始まり>を創り出す」……だいすき。

【功労賞】Cocco(『ガーネット/セレストブルー』〜『Sing A Song〜No Music No Life』)(id:assa:20041129、id:assa:20041202)

 2004年、id:assaの音楽生活に貢献をした、音楽屋さんに捧ぐ賞。

 良い感じだよ、こっこ。てのがこっこが今年新たに送り出した音源3曲を聴いての率直な感想。僕は幸運なことにというか、たまたまCoccoの活動休止ライブを生で目撃したんだけども、あの頃音源でもライブでも感じた痛々しさみたいのが、明らかに薄れてきてる。あー彼女は今とても恵まれた環境にいて、それをそれなりに謳歌してるんだろうなーて伝わってくる。絵本の特典だったり、タワレコ限定発売の音源だったりするけど、是非機会あったら手にとって聴いて欲しい。というか、テマヒマをかけて(大した手間じゃないけど)聴きたい、て思ったひとにこそ手にしてもらいたい音源かもな。ひとこと、ステキです。

 というか、こっこの曲を上田ケンジ岸田繁がプロデュースする、て時点で、既にノックアウト状態だった訳ですが。出来良くないはずないモノさそんなの。買うよ。実は某タワレコのコピーは苦手なんだけども、買いますよ。そして、良い曲だー、て打ちひしがれますよ。

【功労賞】the pillows

 2004年、id:assaが祝うまでもないけど、15周年おめでとうでした。選から漏れましたが、最初訳のわからない評を書いてた『GOOD DREAMS』(id:assa:20041104 id:assa:20041106)は聴けば聴くほど心地よい名盤でした。「その未来は今」「Walkin' on the Spiral」は2004年に欠かせない曲と確かになった。歌詩を改めて耳から入れて、すげー良い曲だなぁと最認識させられた2曲でした。その他の曲も、噛めば噛むほど味が出るタイプの曲揃いでしたわ。正直な話、最初聴いたときは「どーなのコレ?」て思ったんだけどさ。と苦く笑う。いや、いいんだよ。これでいいんだよ。これがいいんだよ。(何がだよ)

 さて置き、15周年と騒ぎつつ、こんなクオリティの高い新譜を出してきてしまう、彼等にただ感謝です。けどなぁ……チケットとれなかった……(未だ言うか)。

【功労賞】音楽事務所FIVE-D。(id:assa:20040410)

 2004年、id:assaが言うまでもなく音楽生活に大きな貢献をしたと思う音楽関係者さんに捧ぐ賞。

 http://www.musicmachine.jp/interview/go/

 THE BOOMハナレグミ中村一義等を抱える音楽事務所FIVE-D社長、佐藤剛氏による反CCCD宣言関連。この宣言があってレコード会社のCCCDへの柔軟化への流れがひとつ、つくれた気がする。確かに理想論かもしれないが、理想論がない現実なんてそれこそ全くなんの面白みも何も社会な訳で、そゆ理想論が現実に傾き過ぎかけてた音楽業界の中で、ぽっと登場し、多くの反響を受けたことは、極めて重要なことだったと思う。そして実際、ハードを売りたいだのなんだのというちょっと歪んだかたちではあるけど、結果的にCCCDリリースを積極的に実施していた某2社が、CCCD撤退宣言したのだから。著作権絡みで消費者にとっては暗い話が多い音楽業界で、ちらりと見えた光、て印象でした。2005年は、良くなるといいね。改正と政治家と一部業界人は呼ぶ著作権法改正は本日、施行された訳ですがこゆ方々がいるという事実は、忘れてはいけないと思う訳ですよ。

 併せて、所属のバンドであり、また反CCCD宣言のきっかけにもなったTHE BOOMのデビュー15周年、改めておめでとうございます。『百景』のレビューはこちら。(id:assa:20040711)

【最優秀ライヴ】MOTORWORKSSHIBUYA-AX。12/18(id:assa:20041219)

 リンクの記事読めば全て述べたいことは書いてあります。MOTORWORKSがライブをやり続ける限りは、前向きに生きて成長していける気がする。ここは笑うところだ。なんてたって彼らは笑いバンドだてことを忘れるべからずだ。彼らはいつでも、全力で愉しみ、徹底して遊ぶのだ。そうやって日々、30代も成長してくのだ。20代が成長してけない訳がないじゃないか。(ここも笑うところだ。)

 個人的に印象に残ってるのは聴衆のひとりからのあるひとことと、「私語は慎むように。」とそれに答えた瞬間のイシダの笑顔かな。オトコだって、可愛く笑えるんだなー、てなんとなく思った。しみじみ。

【優秀ライヴ】AIR横浜BLITZ。12/17(id:assa:20041218)

 「フラットな昂揚感」なんて言う自分でもよくそんなこと書けたもんだなーという奇妙キテレツな感覚的ライブ評を生んだスネオヘアー@川崎クラブチッタと迷ったけど、まぁスネオヘアーは一杯でてきてるし、お帰りなさい、てことで。石田と仲良く並べて次点*1。24歳まで残り2週間、というタイミングで終曲が「24 years old」てのは、ただの偶然なんだろうけど、単純に嬉しかった。ありがとうAIR。相殺して、アリーナのことは、当分忘れることにするよ。

 それにしても「彼は直に戻って来る、音楽というジコ表現なしに彼は生きられないから。」て予言は見事に当ったなぁ、と自分でもつくづく思う。永久に活動休止するなんて全く思ってなかったから、1年間音沙汰なくても実はそんなに不安じゃなかった。あの気持ちは色褪せなかったぜNinny。Hi, Good to see you !

【総評】

 ノミネートの異様な多さからも伺えるように、例年になく混戦模様となったマイ・レコ大でした。例えば無冠に終わった中にも、例えばBUMP OF CHICKENLOST IN TIME堂島孝平、コンタクトのように、パワープレイとなり、自分の音楽生活に潤いを与えてくれつつも、選を漏れたノミネート作は多くありました。最近聴いたモノだと、村上ユカの3rdアルバム『角砂糖』*2ホッピー神山SCUDELIA ELECTRO吉澤瑛師参加)がかなり良い出来で、かけこみの衝動で是非いれておきたいな、と思ったとか、まぁ細かくは色色ありましたし。けど、やはり上記に挙げたモノが半歩くらい、抜けてました。僕の主観では。

 ともかく多くの名盤、名曲に恵まれた1年という印象がありましたわ。去年なんて殆どムリムリ2003年音楽の総括を出したんだけども、今年は「これはこれかなー」て目星は殆どついたし、自然に自分の嗜好に合う音楽群で、総括できたんじゃないかな、と思うです。

 暗いことが多い世の中だから、せめて音楽くらいは、美しくあって欲しいモノですわ。石田小吉はかく語りき。「音楽でセカイはかえられない。けど、音楽で人を豊かにすることはできる、て信じてます。」

 音楽ナシには生きてけない、なんて何処か甘たれた黄色バックに赤文字のコピー(こらこら)より、なんて芯に迫るコトバなんだろうな。そんなこんなで、2004年、僕の音楽生活を豊かにしてくれた全ての音楽屋に、ありがとう。


*1:上のリンクを見ると分かるけど、去年も仲良く並んでる。逆転はしたが。はは。

*2:どうやら村上ユカさんがはてなダイアリーをお持ちらしい。http://d.hatena.ne.jp/yucafe/ 遅れ馳せながら『角砂糖』を拝聴致しました。『小鳥』の再演には感慨深くならずには要られませんでした。名曲は色褪せないものだな、とかみしめ、『角砂糖』パワープレイ中です。ファンレターな注でした。05/1/8