pop@life.

3月はリリースラッシュの季節。レコ社決算最後の悪あがきかどうかはさておき、誰それがベスト盤出すとか最高傑作出すとか80年代リスペクトとかそんなお話だらけですね。やれやれ踊らされてたまるかてんだ。そんなで残業続きの鬱憤晴らしとばかりにタワレコで半ば勢いで7000円使ったのは誰だ?いやぁねオトナって。つか、リーマンて。


『Tommy Airline』-Tommy february6

ギリギリ確信犯な一流のB級ポップス。最早代名詞なチープでクールでフェイクな赤メガネとジャケットワークと80年代サウンド。安っぽさと奥深さの同居。音がマイナーだろうがM7thだろうが切なかろうがいなたかろうが軽妙だろうが関係なくアタマの悪い歌詞を連呼する確信犯。

1stのような衝撃はないけど、流石に2度目だけあって音は1枚目より練られてるかな。確信犯具合が確実に増してる。しかしこれ、またやるとなると流石に飽きられないかな?いや、買うけどね、絶対。所謂「アイドルポップス」が停滞する中で、このポジションて貴重じゃなかろうか。巧い隙間市場を見つけたモノだわ。川瀬智子、案外就職したら面白いプランナーになってたかもしれない。


『First Beginning』-堂島孝平

ますますシティポップへの傾倒を魅せる堂島クンの移籍後初アルバム、てか。ポップであることの幸福、幸福であることのポップさ。なんとなくカラリとした印象を受け、個人的にはもう少しウェットさがあっても良かった気するけど、通して聴いたときの爽快感は確実に前作を上回ってる。これからが実に楽しみ。これで王道、て言葉覚えたら、ちょっとそろそろ金字塔打ち立ててもおかしくないんじゃないか?て感じはある。楽しみ。


既視(聴)感を巧みに用いて「一流な非A級ポップス」を演ろうとしてる点では両者共通か?堂島孝平の場合はトミーほど突き抜けてはないつか、優等生な音つか、そんな感じがするのだけども。

ともあれ、小難しくなんとなく音響的でミニマムな音素材をループさせて意味ありげな抽象的な歌詞と耳障りの良い断片的メロの連呼で最高傑作だ、と言わせようとする系とか、ギター歪ませてじゃらーんてやって若気の至り連呼する系な「アーチスト」がもてはやされぎみな気がしなくもない昨今で(決して特定のモデルはいない)彼らのように真正面に「ポップスであること」と向き合う音楽屋てのは物凄い貴重だと思う。クリエータ魂、てそゆとこに宿る気するわな最終的には。神は細部に宿る、じゃないけど。ともかく余計なお題目重ねる暇あったら、良いモノ造りやがれ、と(僕が)。