歌い切る。

「Rockin'on VS SNOOZER

http://members.at.infoseek.co.jp/kurumataniisan/neta35/index.html

車谷浩司物語より。これ近来稀に見る名作だと思う。巧い。言ってることも結構的を得ているし、パロディの持つ批評精神を巧く活用できているんじゃないだろうか。これは車谷に対する、そして車谷のファン(である自分)に対する、それをマジメ腐って語る一部批評系音楽誌に対する高等な同時多発的パロディ。皆が知ってる作品を引用することで、「海原=見識を持った人間」「山岡=時に意識が先走る若僧」という記号をタナソー、鹿野という編集者に巧くあてはめることに成功している。しかし重要なのは、傍から見れば、こんなどうでも良いことをマジメ腐って語ってる二人自体が意識過剰な先走った存在だという事実だったりする。導かれるのは結局「なんだかんだ言ってはみたけども、先走ってたって軽薄だっていいじゃん、だって好きなんだもの。」ていうアイロニカルな自己批判も含んだ上での(青いまでの)開き直りだ。そしてこの引用自体が引用元を報せず遠慮なくぱくる車谷自体へのアイロニーにもなる、てそこまで意識はしてないんだろうなぁ。たぶん。


けど海原雄山や唐山陶人の言う「意識の先走り」こそが大好きだし魅力だと思う訳なんですよ『one』に関しては。発売すると噂がでてる横アリライヴDVDも出たら買うと思う。横アリでのライヴとしてはともかく、あの歌はBGMとしてかけるなら、間違いなく最高なんだよ。

因みに活動休止という噂もあるけど。大丈夫だよ、あの自意識過剰な人間は、おそらく歌わずには生きていけない。たぶんね。