POP GOES ON......

石田ショーキチライブ@下北沢SHELTER。以下、曲名ネタバレありません。

相変わらず、石田らへんを観るには狭くてあついハコですな。けど、オトのバランスは前回7月のときより良かった気がする。

ドラマーが代わったのが前回ツアーからの大きな変更点。なんつか、今風なドラムを叩くひとで、一見細いからだの女性なのに、叩きはパワフルで驚いた。前回のドラマーは、叩くと何処か残響が残る感じがあって、全体にポップな印象が強いのだけど、今回のドラマーはきっちりとビートが撥ねてソリッドに聴こえる、ストレートな感じ。例えば8ビートや4つ打ちでどんどこいったあと、ふと演奏に間があるときに、ジャストなタイミングで止まって残響が掻き消えると、すごい心地よかった。たまにずれたけど、まぁツアー回れば治るでしょう。ストレートが多い石田曲との相性は、なかなかいいとみた。楽しそうに叩いてて、思わず見入っちゃいました。若い女性はいいですな笑。

意外な選曲や新アレンジも含め、満足度は高かった。新曲でないしマンネリ、唯一出た音源もマンネリ、という意見もあろうが、そこはそこで僕としては暖かく見守りたいと思う。あんまりシンガーソングライターチックや、ロックミュージシャンチックになるより、「職人曲」な感じで作ってくれたほうが好みではあるんだけども、それでも聴いたら微笑ましく聴いてしまうし、もうこのひとの曲には抗えないという感覚の方が強い。僕は基本的にポップミュージシャンに新奇性は求めない性質で(ポップミュージシャンは芸術家ではないのだから)ポップスとは様式美の勝負だと思うし、そのカタさえ美しければ、例え再生産だろうがなんだろうが満足してしまう(だからこそ、その再生産の様式としてのパクリに僕はあんなに惹かれているのだ。最近のミカンさんは俄然面白くない。拙文によれば、「Jポップの最先端」だったはずなのに、パクリを戦略として用いることがなくなってしまって、ただの1バンドに成り下がってしまった!てゆうか、これは余談の方が長いね。)むしろ、再生産の中で差異化をすることこそ、ポップミュージシャンの真価である気がする。そういう意味では、今、石田ショーキチというおとこは、ポップというモノを突き詰めるために重要な岐路にいる。ということにして置きたい。だって、レコード会社との契約なくなってノルマなくなった途端、あまりにマイペースが過ぎて制約もなくなって客観的な目もなくなって、曲もできなくて段々と廃れてくなんて、寂しい余りじゃないですか。前向きな再生産。それこそが、ポップミュージシャンとして生きる人間の宿命ではございませんか?

話逸れた。いや、ライブほんと良かったんですよ。次は新宿ロフトにお邪魔する予定。楽しみにしております。