ハガキ職人ナイト!4

東京カルチャーカルチャーにて、11/23の三連休中日に、「ハガキ職人ナイト!4」というイベントをやります。

http://tcc.nifty.com/cs/catalog/tcc_schedule/catalog_081021197037_1.htm
http://hagakinight.bakufu.org/index.htm

このあたり(http://tcc.cocolog-nifty.com/blog/cat7553760/index.html)で色々告知がてら説明しているので、詳細はそちらに譲るとして、結構面白い人種が集まるイベントです。文科系オーラというか、インドアなオーラというか漂う予感がします。それでいて一種の爆発力があるというか、そんな感じです。

やることは、大喜利になると思います。ネタを出して、ぼけるの応酬。深夜ラジオがリアルになる世界。

個人的には深夜ラジオには十年来お世話になっていて(特に伊集院光とか)夜中にくすっと笑うあの感覚がリアルによみがえるというだけでも背筋がしゃんとします。こんなイベントに関われるのも何かの縁。というわけで、皆様、是非遊びにきてください。よろしくです。

夏草~エレキギターの夢のあと

ギターが弾けないくせに、ギターショップをひやかすのが好きだ。仕事でギターの連載コラムの編集を担当して、楽器店を取材することになったのがきっかけだ。

地元である埼玉県上尾市にギターショップがあることは、仕事で取材することになってはじめて知った。上尾市のギターショップ「サウンドトラベル」の店長・中込さんによると、僕が中学生の頃にはすでに、上尾で店を構えていたという。単に、僕が地元の楽器屋事情に無関心だったというだけの話のようだ。聞けば、上尾市界隈の音楽熱は、僕の想像以上に熱いという。それも、何十年も前から。

「昔は、近くにギターの工場もあったからね。結構、早い時期からエレキギターを始めた人が、上尾や桶川には多かったんですよ。」と、中込さんは言った。「テスコっていうメーカーなんだけど、知ってる?」「知らないです。こんなところに、ギターの工場があったんですか?」正直に答えると、中込さんは、テスコについて僕に教えてくれた。

一九六〇年代、日本では空前のエレキギターブームが起きた。ベンチャーズが火をつけたのだ。髪を伸ばし、エレキギターを買い、バンドを組む若者が一気に増えた。しかし、フェンダーギブソンといった海外のギターは、あまりに高価で、そう簡単に手に入る代物ではなかった。そこで、数多くの国内メーカーが廉価ギターを作り始めた。「木材屋とか、家電メーカーまでギターを作ってました。木材に弦を張りさえすれば売れた。そういう時代だったんです。」(中込さん)

テスコ株式会社は、ギターブームに乗って急成長した会社の一つだった。河合楽器の系列の会社だったが、事実上、経営は河合楽器から独立していた。海外製より安価な国産ギターは、多くの若者に支持され、飛ぶように売れたという。生産ラインの拡大が必要になったときにテスコ社が選んだ地が、埼玉県菖蒲町だった。一九六五年前後に、一万五千㎡の広さを誇る工場を作り、国内外にギターを出荷した。当時の関係者のブログによれば、工場から全国の楽器店に向けて朝出荷すれば、夕方には売り切れる程の人気ぶりだったそうだ。

ところが、そんな空前のブームも、状況が一変する。全国の自治体で、エレキギター禁止条例が発令されたのだ。今となっては冗談のような話だが、当時は大まじめに「電子ギターは不良の元だ」と叫ばれ、ギター販売は厳しい締め付けにあった。一転して、売上は急落。莫大な投資をした直後だから、ひとたまりもなかったに違いない。負債は膨らみ、一九六七年、テスコは、河合楽器に身売りすることになった。

河合楽器仕入商品担当・原田さんに話を聞くことができた。「テスコを吸収した後、しばらくは生産ラインを埼玉に残していましたが、八〇年代中ごろに、生産ラインを(河合楽器の本社のある)浜松に一本化しました。そのあと、ギター部門については、OEM生産に軸を移しまして、テスコに関しては、一部の愛好者向けの受注生産という形で、細々と生産を続けました。」

しかし河合楽器はギター部門を整理することを決め、その僅かな生産も、二〇〇〇年前後に完全に収束させた。世界的に、ギターのOEM生産の中心が、日本から、中国や東南アジアに移行した時期だった。

こうして、かつて一世を風靡したテスコブランドは、完全に姿を消した。もう資料も全て廃棄され、関係者も退職してしまったという。おそらく、もう過去モデルの復刻の可能性すらない。

人影も少ない蒸し暑い夏の午後に、僕は一人、中込さんが語っていた工場の跡地へと向かった。JR桶川駅東口からバスで二〇分ほどいって、下栢間バス停下車。県道から小学校の方向に少し入ると、雑草が生い茂った広い空地にでくわす。そこが、テスコの工場跡だ。

「六年位前まで、工場の建物はあったんです。だけど結局、使い道がなくなったらしくて、県の住宅供給公社が買い取ったんです。団地を建てる予定だったらしいけど、その計画も進んでないみたいね。」近くを通りかかった、近所の方が教えてくれた。かつては栄華を極めたギター生産の拠点だった地も、今は、犬を散歩させる近所の方が何人か通るのみだ。

今、テスコのギターは、海外でとても人気らしい。海外製にはないオリジナリティが支持されているのだ。ジャパン・ヴィンテージという名でもてはやされ、著名なミュージシャンも使っているという。海外への憧れを元に、海外製の代用品として作られたギターが海外で称賛されている。しかし一方、そのギターが生まれた地は、雑草に埋もれ、犬が闊歩している。

夏草や 兵どもが 夢の跡(松尾芭蕉

そんな句を、連想せずにはいられない。

工場跡の周囲を散歩していたら、突如黒雲が空を覆い、強い雨が降ってきた。あるいはその雨は、テスコに関わり、夢破れたすべての人々の、無念の涙なのかもしれない。そんなことをふと思いながら折りたたみの傘を広げ、僕はバス停へと踵を返した。

参考URL http://star.ap.teacup.com/firstman/
      http://plaza.across.or.jp/~meruhen/index.html


テスコ工場跡地(埼玉県菖蒲町)

 TEISCOをめぐる冒険中。

この半年間、個人的に、宣伝会議社の「編集・ライター養成講座」というのを受講しておりました。

以前音楽サイトの編集をやってたときに、こんなんじゃいかんなと、もっとコンテンツの作り方を学びたいなと、それやったら出版・広告界あたりからノウハウを盗みたいなと思ったのが受講のきっかけだったのですが、いろいろ得るものもそれなりにあったような気はします。そんなこんなしてる間に、イベント屋に異動になってしまったわけですが。まぁ、ライティングはしますしね。

その講座でいくつか課題があったのですが、その中でそれなりに評価を受けたテキストを転載しようと思います。

この課題は、「自分が住んでいる町」というテーマでルポを書くというものでした。編集者として帯同してた「この店で一番高いギターを弾かせてくれ」の取材の過程で知ったテスコギターについて書こうと思い、ちょこっと取材してまとめたものです。

そのあと、テスコについてもっと深く調べて、卒業制作課題にしようともくろんだのですが、それは失敗しました。関係者がとにかくつかまらない。結局、シュガーフィールズの原朋信氏と、元スパイラルライフ石田ショーキチ氏にインタビューをして、卒業制作としました。(これは、提出作品の中から10本選ばれる優秀作品に選ばれました。ありがとうございます。)

さて、結構、受講者の一部や講師(岩本隼氏)の方からの反響もよかったので、テスコギターの記事転載します。ここをたまたま見かけた関係者の方で、もし当時の話をしていいという方いらっしゃれば、asusyncアットマークnifty.comまでご連絡ください。本気でもっと深く取材したいです。よろしくお願いします。

この店で一番高いギターを弾かせてくれ!が書籍化、そしてイベントやります。

お報せすることが多いので、すっかり告知用のスペースになってしまいましたが、それでもめげずに告知します。

僕が1年近く編集者として関わった前代未聞、抱腹絶倒、だけどガチなギター・コラム「この店で一番高いギターを弾かせてくれ!」が、書籍化されました。今日から店頭に並んでるみたい。

いちばん高いギターを弾かせろ (エイ文庫 179)

いちばん高いギターを弾かせろ (エイ文庫 179)

最初の取材は、去年の6月頭。暑い暑い空梅雨の典型みたいな1日で、神保町をさまよい、10店舗くらいに取材を飛び込みで申し込んでは断られました。今、冷静になって考えてみると、こんな前代未聞な企画に、飛び込みでGOを出してくれるお店もそうそうないとは思うのですが、それでも1店舗OKがとれると、憑き物がとれたかのように、皆さん取材に応じてくれるようになりました。40店舗くらい同伴したのかな。現場は、大変でもあり、けどそれを上回るくらいに楽しかったです。ひたすらに。

僕は4月に部署を東京カルチャーカルチャーに移すことになり、担当を外れたのですが、ヴィン★セントの快進撃はとどまることなく、ついにはエイ出版社からお声がかかり、LAのフェンダー・カスタムショップにオフィシャル取材できるまでになっちゃいました。

献本も頂きました。基本的には、ハッピーなオーラに満ち溢れてて、笑顔が絶えない、だけど真剣なギターエッセイなのですが、どことなくセンチメンタルな空気がときに漂ってたりします。担当をしていてつくづく思ったのですが、このヴィン★セントさんというのは、ハードボイルドな語り口とは対照的に、とても人情家で、一期一会の精神を大事にしている方です。ラストは、なぜだかわからないけど、ほろりときちゃいます。

カラー図版も多いし、単純にプチ・ギター・カタログ、楽器店カタログとしても秀逸です。お手にとりあそばせ。そして、書籍ではお伝えできなかった、取材のオチである「Smoke On The Water」の迷演奏の数々は、本家サイトにてお楽しみください(笑)。

しかしまぁ、よくここまで成長したもんです。アクセス数も好調らしいし、ひとえに読者の皆様のおかげであります。

そして、ありがたいことに、版元のエイ出版さんから、「東京カルチャーカルチャーでイベントをやりたい」という申し出を受けました。おお!喜んで!というわけで、10月3日金曜日に、「一番高いギターを弾かせてナイト」と題して、出版記念イベントをやります。

http://tcc.nifty.com/cs/catalog/tcc_schedule/catalog_080903192926_1.htm

色々な趣向で、裏話を交えつつ、そしてヴィン★セントの笑撃ギタープレイも交えながら、お届けしようと思います。

どうぞよろしくです。

みんなでTOKYO FMの番組をつくりました。

8/31 27:00から29:00まで、TOKYO FM 80.0MHZで前代未聞の番組が流れます。

http://d.hatena.ne.jp/assa/20080718#p1

要は↑で収録した音源をベースに、番組を作ったというわけです。結局は、追加でいろいろ録ったり、ラジオドラマつくったりと、イベントで録ったものは雰囲気モノとして使われてる感じだろうとは思いますが、ちゃっかり僕も出演者に名が出てます。イベントでもほとんど裏方だったんで、出演というほど何もやってないんですけど。

本邦初の立体録音(バイノーラル録音)番組です。聴くときは、必ずヘッドフォンを準備してください。それと、深い時間ということもあるので、録音しておくことをお勧めします。永久保存して、iPodとかにいれておくと、自慢できるかもしれません。

@nifty MOOCSから飛び出した局地的コンテンツ「Voice of Vins★」がこんなに大きくなって、あなたの耳に届きます。

どうか、この瞬間にお立会いください。スタッフのひとりとして、いや、ラジオを愛する一人の人間として、より多くの人に気に入っていただけることを切に願っております。みなさんをうならせることのできるコンテンツになってると思います。みんなの想いがつまったこの番組、夏休み最後の音像劇場、どうぞ、よろしくお願いします。

なお、当番組のイベントの収録イベントの様子は、こちらにてご紹介しております。ご笑覧をば。http://tcc.cocolog-nifty.com/blog/2008/08/tokyo_fm200883_d95a.html http://vin-planet.cocolog-nifty.com/blog/tokyo_fm/index.html

TOKYO FM 特別番組 「夏だ! ラジオだ! バイノーラル祭り!」
【放送時間】 2008年8月31日 27:00〜29:00(=翌午前3時〜午前5時)

【出演】 ヴィン★セント、河井克夫、和久田理人、遲塚勝一、ボクデス(小浜正寛)、加藤晋也、佐藤真弓(猫のホテル)、村上航(猫のホテル)、小林健一(動物電気)、杉山由、大堀こういち、田中美央(俳優座)、藤崎成益(タテヨコ企画)、DJきーぽん(ワタナベエンターテインメント)、OH!ルーシー(ワタナベエンターテインメント)、涼森有羽子、中野将喜、チエ・カジウラ、山田コウジ、BEATSICK.JP(ヒューマンビートボックスユニット)、シンスケ横山・河原あず(from @nifty TOKYO CULTURE CULTURE)、ノイマンくん(超・高性能バイノーラルマイク)、メタル課長(a.k.a. 大泉繁 from @nifty MOOCS
【制作】 TOKYO FM LABO
【機材協力】 (株)エレクトリ、アドフォクス(株)
http://www.tfm.co.jp/labo/

8/3イベントのプロモーションムービーです。

TOKYO FM様よりいただきました。ヘッドフォンで聴いて下さい。かつてない音が聞こえます。ぞわぞわってくるでしょ?当日は、この子(超・高性能マイク ノイマンくん)で遊べちゃうんですよ。本当に。

http://video.nifty.com/cs/catalog/video_metadata/catalog_080727106723_1.htm

というわけで、イベント詳細は以下です。チケット好評発売中!夏はラジオをつまみに楽しみまくりましょう!

2008 08 03 [Sun]
@nifty MOOCS loves TOKYO FM「夏だ! ラジオだ! バイノーラル祭り! 〜僕たち、本当にFMラジオ番組をつくっちゃいました。」

Open 17:00 Start 18:00 End 20:30 (予定)
前売り券1500円 当日2000円(ともに飲食代別)
ファーストドリンク代(500円〜)は必要になります。

会場:東京カルチャーカルチャー(Zepp Tokyo2F)http://tcc.nifty.com/

出演:DJヴィンス★(ヴィン★セント)、河井克夫、ボクデス小浜[予定]、シンスケ横山、河原あず(TOKYO CULTURE CULTURE)、メタル課長(MOOCS)他、ゲスト随時発表!飛び入りゲストもあり!!?

ニフティの誇る音楽サイト「MOOCS」の超局地的ラジオ番組、コーナー内コーナー「Voice of VINS★」が、なんと地上波に! しかもお相手は、天下の「TOKYO FM」!!!

放送日はなんと8月の末の予定ですって。近日中に日程確定ですって。どうしましょう!

……と、戸惑うDJ VINS★をよそに、みんなでFM番組を1本つくることにしました。

みんなを助けてくれるのは、超・高性能バイノーラルマイク「ノイマンくん」。ノイマンくんが録る、驚きの立体音響をお台場で体感しよう。

バイノーラル録音講座、TOKYO FMのあんな秘密こんな秘密、ニッチでコアなラジオの話し、そして会場全体を巻き込んだ公開レコーディング……この日マイクに届いたあなたの声が、ラジオ番組で流れます。本当に。

今宵、お台場の中心に大集合、夏の夜空の下、みんなでラジオ愛を叫ぼう!!

(放送日は8月31日深夜を予定。放送の詳しい内容はTOKYO FMの特設ブログでチェックいただけます。)